ブロードリーフ(3673)中間決算分析――売上は1割増なのに、営業利益は9割増えていました

8月12日に中間決算を発表したブロードリーフ(3673)――売上は1割増なのに、営業利益は9割増えていました 決算を読む

はじめに

ブロードリーフは、自動車の整備工場や部品商が使う業務ソフトを作っている会社です。車が壊れたとき、整備工場は部品を探して、発注して、修理して、請求書を出します。その一連の流れを回すソフトと、部品をやり取りする企業間のネットワークを提供しています。町の整備工場のカウンターの奥で動いているソフト、と言えばいちばん近いと思います。

この会社は数年前から、買い切り型のパッケージソフトを、月々払いのクラウドソフトに切り替えてもらう移行を進めています。切り替えの途中は売上の形が大きく変わるので、1ページ目の数字だけ見ると何が起きているのか分かりにくい。今回の決算は、その分かりにくさの典型でした。

この決算で何が起きたか

項目今回前年同期増減率
売上収益10,7819,819+9.8%
営業利益1,477771+91.5%
税引前利益1,392600+132.1%
純利益1,001417+140.3%

(単位は百万円。IFRS採用なので経常利益の行はありません)

売上が1割増えて、営業利益が9割増えています。この開きが今回の話の全部です。営業利益率でいうと、前年同期の7.9%から13.7%に上がりました。

最初の表では分からなかったこと

売上の中身が入れ替わっている

4ページ目に、サービス区分別の内訳があります。

区分今回前年同期増減率
クラウドサービス6,9235,336+29.7%
パッケージシステム2,5413,002△15.3%
その他1,3171,481△11.1%

クラウドが3割近く増えて、パッケージとその他が1割強ずつ減っています。減っている2区分は、悪い減り方ではありません。パッケージの減少は、そのお客がクラウドに移った結果です。会社自身が「切り替えは構成比を変化させるものの、全体売上にとって増加要因」と書いています。

利益が増えた場所は、原価でした

損益計算書を見ると、売上が962百万円増えているのに、売上原価は前年の3,448百万円から3,390百万円へ、むしろ減っています。売るものがハードやパッケージからクラウドの利用料に変わると、売上が増えても原価がついてこない。今回の増益の主因はここだと読みました。これは私が2つの期を見比べて言っていることで、会社が「原価が下がったから」と書いているわけではありません。

もうひとつ、前年同期には持分法による投資損失が95百万円ありました。今年はゼロです。税引前利益の伸び率が営業利益より大きく見えるのは、この分もあります。

キャッシュ・フローは利益を追いかけている

11ページ目です。営業活動によるキャッシュ・フローは3,055百万円、前年同期比43.7%増。利益の伸びに現金がついてきています。ここに引っかかりはありませんでした。

引っかかったのは投資の側です。無形資産の取得に2,232百万円。減価償却費及び償却費の1,749百万円を上回る額を、毎期ソフト資産に積んでいる形です。営業で稼いだ現金の7割強がここに消え、借入の返済と配当を払うと、現金は361百万円減って3,761百万円になりました。稼ぐ力とほぼ同じ速さで投資を続けている会社です。この投資が将来のクラウド売上になるなら循環しますが、貸借対照表には既にのれん11,168百万円と無形資産19,492百万円が載っています。総資産43,010百万円の7割がのれんと無形。……重い持ち方だとは思う。

会社はどう説明しているか

会社の説明は一貫しています。クラウドソフトのお客が増えたこと、パッケージからの切り替えが順調なこと、そして「この増収要因は、クラウドソフトへの計画的な切り替えが完了するまで継続する見込み」だということ。生成AIを営業や開発に取り入れてコストを最適化した、とも書いています。

売上の中身と原価の動きは、この説明と矛盾していません。私はおおむねそのまま受け取りました。ただ、AI活用によるコスト最適化がいくら効いたのかは金額で示されておらず、そこは効果を測れません。

通期予想に対して、どこまで来ているか

会社は今回、通期の売上予想を3億円増額して238億円にしました。ただし営業利益48億円以下、利益の予想はすべて据え置きです。理由も自分で書いています。増額分は主にパソコンなどのハードウェアの売上で、「利益への寄与は限定的」だからだと。売上を増やしながら利益を動かさない増額です。正直な書き方だと思います。

項目通期予想中間実績
売上収益23,80010,781
営業利益4,8001,477
純利益3,2001,001

営業利益は、私が引き算すると下期に3,323百万円必要です。上期の2倍以上を残り6ヶ月で出す置き方になっています。売上は半分近くまで来ているのに、利益は3割ほど。切り替えが進むほど利益率が上がる構造だとしても、この傾斜は軽くありません。

私はどう読んだか

私は良いほうに寄せて読んでいます。理由は、利益率の改善が売上の中身の入れ替わりという構造から来ていて、営業キャッシュ・フローがそれを裏付けているからです。一時的な収入で膨らんだ利益ではありません。

そのうえで留保を2つ。下期に上期の2倍以上の営業利益を要求する通期予想の傾斜と、償却を上回るペースで積み上がり続ける無形資産です。切り替え完了後にこの投資がどう落ち着くのかは、この短信からは見えません。読み違えかもしれませんが、私はこの2点を次の決算で見ます。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260812/140120260812518082.pdf

有形固定資産が半年で10億4百万円増えた一方、キャッシュ・フロー上の有形固定資産の取得支出は9百万円しかなく、この差が何なのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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