ミニストップ(9946)2027年2月期 中間決算分析――増えた売上は、直営店の分と読みました

ミニストップ(9946)2027年2月期 中間決算分析――増えた売上は、直営店の分と読みました 決算を読む

店の奥で、ソフトクリームとおにぎりを作るコンビニ

ミニストップはイオングループのコンビニで、店は関東と東海に集まっています。ほかのコンビニと違うのは、店の奥に調理場があることです。ソフトクリームやパフェ、ハロハロ、フライドポテト、チキン、手づくりおにぎりを、その場で作って出しています。

学校帰りにソフトクリームを選ぶ中学生や、昼休みにおにぎりとチキンを手に取る会社員が、いちばん身近なお客さんです。最近は、オフィスの中に置く無人の小さな売店や、スマートフォンで注文する宅配も手がけています。

店の多くは、本部と契約したオーナーが営む加盟店です。本部の収入は、加盟店から受け取る分と、自分で運営する直営店の売上に分かれます。今回は、この区別がそのまま話の中心になりました。

売上は増えて、営業段階で赤字に

10月8日に出た、2026年3月から8月までの中間決算です。

今回前年同期増減率
売上高(営業総収入)510億7,300万円487億2,700万円+4.8%
営業利益△28億3,600万円11億1,600万円—
経常利益△26億1,100万円13億4,800万円—
純利益△39億9,500万円5億200万円—

売上は増えているのに、前年同期の黒字から赤字に転じています。

増えた売上は、加盟店の分が直営店に移ったもの

最初に引っかかったのは、売上が増えた理由です。不採算店を閉めて店の数は減り、既存店の売上も前年を割っています。それでも全体は増収でした。答えは、短信の後ろにあるセグメント情報の表に出ていました。

国内事業前年同期今回
加盟店からの収益162億5,100万円128億200万円
直営店の物品販売187億1,600万円245億円
営業利益13億7,500万円△28億1,000万円

表の行どうしを引くと、加盟店からの収益が34億4,900万円減り、直営店の売上が57億8,400万円増えています。加盟店の場合、本部の売上に入るのはロイヤルティなどの取り分だけです。直営店なら、レジを通った金額がまるごと本部の売上になります。

短信には、加盟店と直営店それぞれの店の数は載っていません。ただ、7ページ目では下期の施策として「直営店の削減に取り組みます」と書いています。上期のあいだに直営店が増えていて、その分だけ売上が膨らんだ、と私は受け取りました。

利益の側は、増収とは逆の動きです。

前年同期今回
営業総利益229億3,300万円211億8,700万円
販売費及び一般管理費218億1,700万円240億2,300万円

粗利が17億4,600万円減り、経費が22億600万円増えました。足すと39億5,200万円です。営業利益が11億1,600万円の黒字から28億3,600万円の赤字へ振れた幅と、ぴったり重なります。経費の内訳は短信に載っていませんが、直営店が増えれば店の人件費や家賃は本部の負担になります。増え方は、その筋で説明が付きます。

既存店で、客数と看板の部門が細っている

既存店の前年同期比
1店1日あたりの売上94.8%
客数93.7%
客単価101.2%
店内加工ファストフード部門の1日あたり売上80.9%

客単価はわずかに伸びていますが、来店する人が6%あまり減っています。重いのは店内加工ファストフードで、1日あたりの売上が前年の8割にとどまりました。この店の看板の部門です。

粗利の厚い部門が縮んだことで、売上総利益率は30.2%と、前年同時期より1.2ポイント低下しています。

営業キャッシュ・フローの落差は、仕入れの支払いから

キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが64億100万円の支出でした。前年同期は142億3,400万円の収入です。赤字になったとはいえ、落差が大きすぎます。

中身をたどると、いちばん効いているのは仕入債務の増減です。前年同期は90億5,800万円の収入側に、今回は52億5,300万円の支出側に出ています。貸借対照表の買掛金も、2月末の191億9,200万円から8月末の139億6,600万円へ減っています。

ここでカレンダーを開きました。前期末の2026年2月28日は土曜日です。今回の中間期末の2026年8月31日は月曜日、前年の中間期末の2025年8月31日は日曜日でした。……なるほど、曜日か。

締めの日が休日だと、支払いは翌営業日にずれ、締めた時点の買掛金が膨らみます。前年は日曜で締めたので、払う前の買掛金を抱えたまま半期を終えています。今年は土曜に締めて膨らんだ買掛金から始まり、払い終えた月曜で締めたので、反対向きに出ました。落差の大半は支払日の巡り合わせだ、と私は読みました。この理由は短信には書かれていません。

それでも、巡り合わせを差し引いて本業の赤字が消えるわけではありません。現金及び現金同等物は8月末で151億2,600万円、半年で80億3,400万円減りました。貸借対照表では、グループ会社への預け金(関係会社預け金)が120億円から50億円に減っています。

会社の説明と、手づくりおにぎりのこと

会社の説明は4ページ目にあります。食事の品で高単価の品揃えが遅れたこと、ホットスナックの新商品が遅れたこと、6月の天候不良でコールドスイーツが伸びなかったこと。そのために1店あたりの売上と売上総利益率が計画に届かなかった、という説明です。

天候はそのまま受け取ります。ただ、客数の減り方は、6月だけで説明が付く大きさには見えません。

もっと引っかかったのは、9ページ目の一文です。上期は「手づくりおにぎり等の販売減少分をリカバリーするため」に施策を組んだとあり、下期の施策には「安全・安心な商品提供を行うオペレーション体制および指導体制の整備が完了」「販売再開認定店舗」という言葉が並びます。手づくりおにぎりを、店によっては作るのを止めていたように受け取れます。

なぜそうなったのかは、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

明るい材料も短信には載っています。デリバリーの売上は前年同期の1.5倍を超えました。ベトナムは第2四半期の3か月で営業黒字に転じています。ただ、国内の赤字の大きさと並べると、まだ埋められる規模ではありません。

下期の営業利益は、ほぼ収支とんとんの置き方

上期の実績通期予想下期
売上高510億7,300万円970億円約459億2,700万円
営業利益△28億3,600万円△28億円約3,600万円
経常利益△26億1,100万円△23億円約3億1,100万円
純利益△39億9,500万円△50億円約△10億500万円

約の付いた数字は、通期予想から上期の実績を引いた私の計算です。

上期に営業赤字を出し切って、下期の6か月はほぼ収支とんとんで終える、という予想になっています。そのうえで、純利益は下期にも10億円ほどの赤字を見込んでいます。上期の特別損失は減損と閉店で12億8,600万円でしたが、下期にどんな損失を見込んでいるのかは、決算短信には書かれていません。

この予想は今回、下方修正されたものです。修正前の数字は短信に載っておらず、同じ日に出た別のお知らせもまだ読んでいません。

配当は年20円の予想を据え置いていて、中間の10円は11月12日に支払われます。自己資本比率は37.2%、継続企業の前提に関する注記は「該当事項はありません」です。財務がすぐ詰まる形ではありません。

私は、キャッシュ・フローより客数のほうを重く見ています

営業キャッシュ・フローの大きなマイナスは、目に留まりやすい数字です。けれど中身の大半は支払日のずれで、その分はいずれ逆向きに出る種類のものです。

この赤字は、店の形を組み替える途中で出たものではなく、客が離れたことによるものだと私は考えています。理由は、増収が直営店への移り変わりで作られたもので、既存店に限ると、客数も看板の部門の売上もはっきり減っているからです。

下期の収支とんとんは、手づくりおにぎりが店に戻ってくることを前提にした置き方です。心配性なので、通期の着地より先に、既存店の客数が月ごとにどう動くかを追うつもりです。この先どうなるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | IR資料室 | ミニストップ
ミニストップの決算短信をご紹介します。

手づくりおにぎりの販売がなぜ減ったのか、どの店でいつから止まっていたのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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