オンワードホールディングス(8016)2027年2月期 中間決算分析――現金の減りは曜日だと読みました

オンワードホールディングス(8016)2027年2月期 中間決算分析――現金の減りは曜日だと読みました 決算を読む

百貨店の売り場から、大連の縫製工場まで

オンワードホールディングスは、服を作って売る会社です。百貨店やショッピングセンターに自前の売り場を持っています。『23区』のような、勤めに着ていける大人の服がその中心です。数年前には、若い人向けの服の店を運営するWEGOを、丸ごと傘下に入れました。

短信を開くと、服だけの会社ではないことが分かります。中国・大連の自社工場ではオーダースーツを縫っています。海外では、ロンドン生まれのJOSEPHや、アメリカのJ.PRESSを売っています。チャコットという子会社の化粧品も、伸びているブランドとして名前が挙がっていました。この半年には、コスメ・デ・ボーテという会社の株を全部買い取っています。

百貨店で服を選ぶ人と、スーツを仕立てに来る人。その両方の支払いが、この会社の売上になっています。

売上も利益も、4段とも前年を上回りました

10月8日に出た中間決算です。期間は2026年3月から8月までの半年です。

今回前年同期増減率
売上高1,175億2,500万円1,126億3,600万円+4.3%
営業利益61億3,900万円57億3,600万円+7.0%
経常利益59億3,600万円55億2,100万円+7.5%
純利益56億2,500万円48億2,200万円+16.6%

全段階で増益です。純利益の伸びだけが大きく、ここはあとで中身を確かめます。

利益が増えた半年に、営業キャッシュ・フローは支払い超過

短信の10ページ目、キャッシュ・フロー計算書です。営業キャッシュ・フローは37億7,400万円のマイナスでした。前年の同じ半年は、39億8,000万円のプラスです。利益は増えたのに、現金は出ていく側に回っています。ここで引っかかりました。

営業キャッシュ・フローの主な行前年中間期今回
小計50億5,800万円△4億1,700万円
仕入債務の増減20億8,100万円△57億3,400万円
法人税等の支払額△10億5,500万円△31億7,800万円
その他△5億3,100万円△30億4,300万円
営業キャッシュ・フロー39億8,000万円△37億7,400万円

効いているのは、仕入先への支払いと税金です。税金の支払いは、前年のほぼ3倍に増えています。貸借対照表でも、未払法人税等が半年で16億5,300万円減りました。前の期の利益にかかった分を、この半年で納めた形です。

仕入債務の中身は、負債の側で分かります。電子記録債務が、期首の71億7,000万円から18億7,300万円へ減りました。半年で52億9,600万円の減少です。一方で、支払手形と買掛金はほとんど動いていません。減った分は、ほぼこの1科目に集まっています。

現金の残りは、1年前の同じ日とほぼ同じでした

現金及び現金同等物は、期首の197億1,500万円から103億円へ減りました。半分近い減り方です。前の年と並べると、見え方が変わります。

現金及び現金同等物期首中間期末
前の年135億500万円103億2,700万円
今年197億1,500万円103億円

……中間期末は、去年とほとんど同じ額だ。違うのは期首のほうで、今年の2月末だけ現金が厚く積まれていたことになります。

では、なぜ2月末に現金が多く、払うはずの債務も残っていたのか。カレンダーを見ると、期末の2026年2月28日は土曜日でした。月末が期日の電子記録債務は、銀行の休日には決済されず、翌営業日の3月2日に回ります。前の期の最後の日に落ちるはずのお金が3月に出ていき、期首の現金と債務の両方が膨らんでいた、と私は考えました。

ただし、期末日が休日だった影響は、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

純利益の伸びは、損失が小さくなった分です

営業利益が7.0%増なのに、純利益は16.6%増です。差は特別損益と税金の行にあります。

前年中間期今回
投資有価証券売却益17億800万円14億1,100万円
減損損失7億1,400万円2億4,300万円
法人税等合計16億7,700万円14億7,700万円

持っている株を売った益は、むしろ前年より少なくなっています。純利益を押し上げたのは、減損が小さかったことと、税金が減ったことです。毎期同じだけ続く性質のものではないので、純利益の伸びは営業利益の伸びより割り引いて受け取ります。

国内が稼ぎ、海外は赤字が広がりました

セグメント利益前年中間期今回
国内事業62億円70億6,600万円
海外事業△1億3,000万円△4億9,700万円

国内は8億6,600万円の増益です。これは私の引き算です。海外は外部への売上が伸びたのに、赤字が4倍近くに広がりました。

粗利率を下げて、販管費で取り返した、と会社は書いています

会社の説明では、『カシヤマ』『アンフィーロ』『チャコット・コスメティクス』などの重点ブランドが、デジタルの販促で好調でした。原材料などのコスト上昇と、在庫を適正な水準に戻すための値引き販売で、売上総利益率は下がっています。それを店舗運営と販促の効率化で取り返し、販管費率を下げた、という説明です。

国内の説明は、セグメントの数字と合っているので、そのまま受け取ります。一つだけ留保があります。在庫を減らす販売をしたと書いてある一方で、商品及び製品は448億2,500万円から465億3,600万円へ増えています。買い取った会社の分も入っているはずですが、短信では切り分けられていません。

海外の赤字拡大は、JOSEPHの店舗と卸売が振るわなかったためだと書かれています。J.PRESSは黒字に転じ、大連の工場も増益です。JOSEPH一つが、海外全体を引き下げた形です。

下期には、上期より速い増益が要ります

通期予想は、4月9日に出したものから変わっていません。

上期実績通期予想進み具合下期に要る額下期の前年比
売上高1,175億2,500万円2,470億円47.6%1,294億7,500万円+4.3%
営業利益61億3,900万円128億円48.0%66億6,100万円+13.5%
純利益56億2,500万円112億円50.2%55億7,500万円+5.7%

進み具合と下期の欄は、通期予想から上期実績を引いて、私が出したものです。

売上は上期と同じ伸びで足ります。営業利益は違います。上期は7%増だったのに、下期は前年より1割強多く稼ぐ前提の予想です。配当は創業100周年の記念配当3円を加え、年36円の予想に引き上げています。

私はどう読んだか

私は、現金の減り方の大半は期末が土曜日だったことと前の期の税金の納付で説明がつく、と考えています。理由は、中間期末の現金が1年前とほぼ同じ額で、減った債務が電子記録債務に集中しているからです。自己資本比率も、期首の49.4%から52.5%へ上がっています。

心配しているのは下期です。上期より速い増益を求める予想に対して、海外の赤字は広がる向きにあります。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.onward-hd.co.jp/ir/library/2328a672d59b01799ac1e3fb487a30ab258f6f23.pdf

営業キャッシュ・フローの「その他」30億4,300万円のマイナスが何なのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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