BlueMeme(4069)2026年3月期 通期決算分析――黒字は外の株主の負担と読みました

BlueMeme(4069)2026年3月期 通期決算分析――黒字は外の株主の負担と読みました 決算を読む

業務システムを、手で書かずに組み立てる会社

会社の中には、受発注や申請、在庫の管理といった業務用のシステムがたくさんあります。BlueMemeは、こうしたシステムを「ローコード」という方法で開発する会社です。プログラムを一行ずつ書くのではなく、部品を組み合わせて作る方法です。中心にあるのは「OutSystems」という開発ツールで、その販売もしています。

お客さんは、システムを自分たちで持ちたい企業の情報システム部門です。開発を請け負うだけでなく、お客さんの技術者向けの研修も売っています。外の開発会社に頼りきりにならず、自社で作れるようにする手伝いです。古い言語で書かれた基幹システムを作り替える仕事にも力を入れています。

9月末に出た3月期決算、表紙は増収増益

この決算は2026年9月30日に出ました。3月期の会社としては、ふつうより4か月ほど遅い発表です。遅れた理由は後の節に書きます。

今回前年同期増減率
売上高32億9,800万円23億6,500万円+39.5%
営業利益4,700万円3,900万円+19.4%
経常利益5,100万円2,900万円+78.3%
純利益2,400万円△1,000万円—

売上は4割近く伸び、利益も3段とも前の期を上回りました。表紙だけなら、悪くない一年に見えます。

親会社は黒字、グループ全体では赤字

損益計算書のいちばん下まで行って、引っかかりました。

グループ全体の当期純損失は74万円で、赤字です。この中には、子会社に出資しているほかの株主が引き受ける損失2,536万円が含まれています。その分を除くと、親会社の取り分は2,462万円の黒字になります。表紙の2,400万円は、これの端数を切ったものです。ほかの株主が負った損失は、前の期は407万円でした。

どの子会社の赤字なのかは、決算短信には書かれていません。ただ、この期に「アルターデザインコンサルティング」という子会社が新しくでき、キャッシュ・フロー計算書には、ほかの株主からの払込み6,527万円が載っています。ここまでは短信の事実です。外から出資を受けた新しい子会社が、立ち上がりの赤字を出したと私は考えました。

売上は9億円増えて、粗利は1億8,000万円

売上の伸びに比べて、粗利の伸びが小さい決算です。

前の期今期
売上高23億6,505万円32億9,887万円
売上総利益12億1,309万円13億9,426万円
受注損失引当金(期末)468万円8,945万円

売上は、23億6,505万円から32億9,887万円へ増えました。増えた分は9億3,382万円です。粗利は、12億1,309万円から13億9,426万円へ増えました。増えた分は1億8,117万円です。粗利の増加を売上の増加で割ると、増えた売上のうち粗利として残ったのは2割ほどでした。

受注損失引当金は、赤字になると見込んだ案件の損失を先に積むものです。会社は短信の中で、2025年12月に始まった「長期大型プロジェクトの品質管理の問題」に対応して積んだと書いています。粗利の伸びが鈍い理由の一つはこれだと考えています。

売上そのものは、二つの事業が両方とも伸びています。受託開発は19億1,402万円から26億7,704万円へ増えました。ライセンス販売は4億1,213万円から5億8,161万円へ増えました。

現金は、売上の伸びに追いついてきました

営業キャッシュ・フローは、前の期の3億4,803万円の流出から、5,916万円の流入に戻りました。売掛金は今期も4億5,885万円増えていますが、買掛金も2億5,082万円増えて、その分を埋めています。

売掛金の増え方は3割ほどで、売上の伸びより緩やかです。売上を伸ばせば売掛金も膨らむので、ここは心配していません。

3,000万円の売上をめぐって、3億9,400万円

発表が遅れた理由は、短信の追加情報の注記にあります。2020年3月30日に結んだソフトウェアの契約で、実質は無償の取引を有償と偽り、3,000万円を売上に計上していました。その裏で、3,350万円を業務委託費に上乗せして返すという念書を隠し、返済分を2021年3月期から外注費として原価に入れていたそうです。

2026年6月11日に特別調査委員会を設け、9月4日に報告書を受け取り、過去の決算を訂正しています。今期の特別損失にも、調査関連費用745万円が入っています。

重要な後発事象の注記には、調査と訂正の費用として約3億9,400万円を翌期に特別損失として計上する見込みだと書かれています。……3,000万円の売上を正すのに、この額か。今期の営業利益4,700万円の8年分を超える金額です。

持株会社への移行も、2026年10月1日の予定を2027年1月1日に延ばしました。株主総会は継続会が10月30日に開かれる予定です。

会社の説明は、訂正と引当金の二つ

会社は4ページ目で、今期の数字を「不正な財務報告」の遡及訂正と、大型案件の受注損失引当金によるものと説明しています。来期の赤字は、調査関連費用のためだと書いています。

費用の説明は、そのまま受け取ります。注記の金額と予想の赤字がほぼ重なるからです。一方、来期の売上が2割減る理由は、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

来期は減収と、4億円の赤字の予想

通期決算なので、今期の進み具合は測れません。代わりに、来期の予想を今期の実績と並べます。

今期 実績来期 会社予想
売上高32億9,800万円26億円
営業利益4,700万円3,000万円
純利益2,400万円△4億円

来期の営業利益の予想は3,000万円で、調査費は3億9,400万円です。営業利益から調査費を引くと、約3億6,400万円の赤字です。来期の4億円の赤字は、ほとんどがこの費用で説明できる、というのが私の引き算です。配当は今期も来期もゼロです。

私はどう読んだか

私は、売上の伸びは本物で、利益はまだ出ていない一年だと考えています。理由は、二つの事業がそろって伸びているからです。売掛金も売上より緩やかにしか増えず、営業キャッシュ・フローもプラスに戻っています。その一方で、親会社の黒字はほかの株主の負担に助けられ、粗利は大型案件の損失で削られています。

心配性なので、来期の2割の減収のほうが気になります。品質問題を起こした大型案件が終わることで売上が減る、と私は見ています。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信 | 株式会社BlueMeme
四半期ごとの決算短信を、それぞれ日本語と英語で、PDFファイルとして公開しています。

来期の売上が2割減る理由と、品質問題を起こした大型案件がいつ終わるのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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