スギホールディングス(7649)2026年2月期 中間決算分析――純利益の倍増は税金の計上と読みました

スギホールディングス(7649)2026年2月期 中間決算分析――純利益の倍増は税金の計上と読みました 決算を読む

はじめに

スギ薬局を運営する会社です。愛知県を地盤に、関東、中部、関西へ店を広げています。

店でやっていることは二つあります。一つは、洗剤やシャンプー、化粧品、食品を並べて売るドラッグストアです。もう一つは、病院でもらった処方せんを持って行くと薬を出してくれる調剤薬局です。

仕事帰りに日用品を買う人と、診察のあとに薬を受け取る人が、同じ店に来ます。そこがこの業態の強みです。

前の期の秋には、関西で「阪神調剤薬局」を運営していたI&Hという会社を傘下に入れました。今期の初めには、その会社をスギ薬局に吸収合併しています。調剤の比重を上げていく方針は、はっきりしています。

2025年10月9日に出た中間決算を、あとから読み直して書いています。

この決算で何が起きたか

今回前年同期増減率
売上高5,001億7,200万円4,138億900万円+20.9%
営業利益236億9,600万円202億8,600万円+16.8%
経常利益242億3,600万円214億6,800万円+12.9%
純利益286億1,600万円130億5,900万円+119.1%

最初に一つ断っておきます。この会社の業績表は、売上高のすぐ右に「EBITDA」の列が入っています。1列ずらして読むと、営業利益を335億円と取り違えます。上の表は、4ページ目の説明文と8ページ目の損益計算書で確かめた数字です。

売上は2割増えました。ただ、純利益だけが2倍を超えています。

純利益を倍にしたのは、マイナスの税金でした

損益計算書の下のほうで引っかかりました。法人税等調整額が△118億2,900万円です。その結果、税金の合計が△62億8,500万円になっています。利益が出ているのに、税金がマイナスです。

貸借対照表にも同じ動きがあります。繰延税金資産が、期首の192億400万円から306億6,800万円へ増えました。将来払う税金が減る見込みを、資産として一度に載せたということです。ここまでは短信の数字です。

なぜ今期に載せたのかは、決算短信には書かれていません。5ページ目には、7月10日に「業績予想の修正および繰延税金資産の計上に関するお知らせ」を出したとだけあります。私はそのお知らせをまだ読んでいません。

同じ短信の注記によると、3月1日にI&Hをスギ薬局へ吸収合併しています。時期は重なりますが、両者をつなぐ説明は短信の中にはありません。

一度きりの利益です。来期も同じ額が出るものではありません。

現金が倍になったのは、期末が日曜だったからです

現金及び預金は、527億8,800万円から1,093億5,600万円へ増えました。営業キャッシュ・フローは664億1,600万円です。

中身を見ると、仕入債務の増加が346億7,900万円あります。会社の説明では、期末が金融機関の休業日でした。2025年8月31日は日曜日です。仕入先への支払いが翌月にずれて、手元に現金が残った形です。

……いや、前の年も同じだ。前年の中間期も仕入債務が328億6,700万円増えています。2024年8月31日は土曜日でした。

つまり、前の年と比べるぶんには条件はそろっています。ただ、この1,000億円を超える現金をそのまま体力と受け取るのは早いと考えています。9月の頭には払っていくお金です。

売上の伸びに、営業利益が少し遅れています

売上総利益は23.9%増えました。ところが販売費及び一般管理費は25.2%増で、こちらのほうが速く伸びています。営業利益の伸びが売上に届かないのは、ここが理由です。

前年の中間期には、I&Hはまだ入っていません。企業結合は2024年9月2日だからです。今回の2割増のうち、どこまでが買収で上乗せされた分なのかを、短信は分けて書いていません。

のれん償却額は1億1,500万円から12億500万円へ増えています。支払利息も3,100万円から2億4,700万円へ増えました。どちらも買収のあとに増えるものです。

決算の直後に、225億円の借入で出資しています

最後のページの「重要な後発事象」に、大きな話がありました。9月30日に、埼玉のセキ薬品の株式を49.0%取得しています。取得価額は225億円で、支払いは金融機関からの借入です。

5年後をめどに2.0%を追加で取得すれば、連結子会社になる見込みだと書かれています。この中間期の数字には、まだ何も入っていません。下期は借入が増えた状態で始まります。

会社はどう説明しているか

調剤については、高齢化で処方せんの枚数が伸び、連携する医療機関も増やした、と書いています。物販は、関東・中部・関西への集中出店と138店舗の改装を挙げています。第2四半期には天候不良と酷暑の影響があった、とも書いています。

店の数は、半期で55店を出して31店を閉じ、調剤薬局を70店取得しています。この説明は、売上の伸びとは噛み合います。ただ、既存店だけでどれだけ伸びたのかは、短信からは分かりません。そこは留保をつけて受け取っています。

通期予想に対して、どこまで来ているか

予想は7月10日に修正したものから変えていません。

中間期の実績通期予想進み具合
売上高5,001億7,200万円1兆50億円約50%
営業利益236億9,600万円490億円約48%
経常利益242億3,600万円505億円約48%
純利益286億1,600万円442億円約65%

約の付いた進み具合は、実績を通期予想で割った私の計算です。

営業利益は、下期に253億400万円が要ります。通期予想の490億円から、上期の236億9,600万円を引いた額です。表紙の通期予想には+15.1%とあります。490億円を1.151で割ると、前期の通期はおよそ425億7,000万円です。そこから前期の上期202億8,600万円を引くと、前期の下期はおよそ222億9,000万円になります。今期の下期は、それを1割強上回る計画です。

上期の伸びが16.8%だったことを考えると、無理な数字ではありません。ただし下期には、セキ薬品の借入の利息がかかってきます。

純利益だけ進み具合が高いのは、税金の分を上期に計上したからです。

私はどう読んだか

純利益の倍増は税金の計上による一度きりのもので、本業は予想どおりの歩みだと考えています。理由は、営業利益の進み具合が半分に近く、下期に求められる伸びも上期より緩いからです。

心配なのは、販管費が粗利より速く伸びていることです。買収でふくらんだ分が落ち着くのか、下期も続くのか。そこは次の決算で確かめます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.sugi-hd.co.jp/pdf/ir/investors/202602_Q2.pdf

繰延税金資産を今期にまとめて計上した理由と、既存店だけの売上の伸びは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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