インフォマート(2492)2026年12月期 中間決算分析――利益より現金の細り方が気になる

インフォマート(2492)2026年12月期 中間決算分析――利益より現金の細り方が気になる 決算を読む

飲食店は食材を仕入れるとき、長いあいだ卸の担当者に電話やファクスで注文してきました。インフォマートは、その注文をネット上でやり取りする仕組みを貸している会社です。使っているのは、外食チェーン、ホテル、給食の会社と、そこへ食材を納める卸やメーカーです。代金は、月々の使用料として入ってきます。

もう一本の柱は請求書です。取引先から届く請求書も、自分たちが出す請求書も、紙ではなく画面の上で受け渡しできるようにします。短信によると、大手企業がグループごと導入する例が多いそうです。経理にいると、月末は紙の請求書を開封して社内に回すだけで一日が終わります。これが欲しい気持ちはよく分かります。

売上は1割増、営業利益は5割近く増えました

7月31日に出た中間決算です。

今回前年同期増減率
売上高99億8,900万円90億100万円+11.0%
営業利益21億1,900万円14億2,100万円+49.1%
経常利益19億9,600万円14億1,300万円+41.3%
純利益11億6,900万円8億4,800万円+37.7%

表紙の業績表には、売上高のすぐ右にEBITDAの欄があります。そこに載っている30億7,600万円はEBITDAで、営業利益ではありません。数字を拾うときに一度取り違えかけました。

営業キャッシュ・フローは、前年の半分になりました

利益が5割近く増えた半年です。それなのに、本業で入ってきた現金は減っています。私が引っかかったのはここです。

前年中間期今回
営業キャッシュ・フロー17億5,500万円8億5,800万円
前払費用の増加3億2,900万円8億6,100万円
法人税等の支払額2億2,400万円7億2,700万円

税金の支払いが増えたのは、前の期に利益が戻った結果です。理由がはっきりしているので、ここは気になりません。

分からないのは前払費用です。貸借対照表では、期首の5億1,100万円が、6月末に13億5,700万円まで膨らんでいます。半年で2倍半を超えました。……前払いに、8億円以上。

何を前払いしたのかは、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれません。私はまだ読んでいません。

利益の伸びには、費用の載せ方の変化も入っています

会社は4ページ目の説明文で、自分からこう書いています。請求書の事業が黒字を続けているので、そのシステムの開発費の扱いを戻した。使った年に全額を費用にするやり方をやめ、ソフトウエアとして資産に載せて5年で償却するやり方にした。その結果、償却費が減った、と。

貸借対照表を見ると、作りかけのソフトウエアを載せる「ソフトウエア仮勘定」が、6億4,000万円から12億3,800万円へ増えています。無形固定資産に払った現金も、前年の7億8,000万円に対して今回は11億5,100万円です。開発にお金を使っているのに、そのぶんが今期の費用にならない形になりました。

もう一つ、利益を押し上げたものがあります。子会社タノムを買ったときに生じた、のれんの償却費です。キャッシュ・フロー計算書では、4億1,900万円から2億4,500万円に減りました。差し引き1億7,400万円、営業利益に上乗せされた計算になります。これは私の引き算です。

営業利益の増加分のうち、開発費の載せ方の変化によるものがいくらなのかは、短信には書かれていません。

現金が3倍になったのは、出資を受けたからです

現金及び預金は、期首の61億5,500万円から183億400万円に増えました。ただ、これは稼いだ現金ではありません。3月に第一生命グループを相手に第三者割当を行いました。自己株式の処分で139億7,300万円、新株の発行で34億9,500万円が入っています。

同じ時期に、請求書まわりのサービスを手がけるinvoxの株を買い増しています。持分は33.4%になり、持分法の対象になりました。相手の利益や損失を、持っている割合に応じて自社の数字に取り込むやり方です。最初に出てきたのは、7,800万円の持分法による投資損失のほうでした。

会社はどう説明しているか

売上については、利用企業数の伸びを挙げています。取引先として登録された企業まで含めると、130万社を超えています。請求書のほうは、2025年4月に料金を改定しました。売上の説明は、そのまま受け取っています。理由は、FOOD事業もES事業も、有料で使う企業の数が半年でそれぞれ増えているからです。

費用の説明のうち、データセンター費が下がったこと、のれんの償却が減ったことは、数字と合っています。開発費の載せ方については、会社自身が理由まで書いているので、隠しているとは受け取っていません。

残り半年で、営業利益を前年の倍稼ぐ置き方です

通期予想は、2月13日に出したものから変えていません。

中間までの実績通期予想進み具合残り6か月に必要な額
売上高99億8,900万円213億4,800万円約46.8%113億5,900万円
営業利益21億1,900万円50億円約42.4%28億8,100万円
経常利益19億9,600万円48億3,500万円約41.3%28億3,900万円
純利益11億6,900万円30億9,700万円約37.7%19億2,800万円

約の付いた数字は、実績を通期予想で割った私の計算です。

前年と並べると、下期に求めているものの大きさが分かります。通期予想の営業利益50億円は、前期比+74.6%とあります。50億円を1.746で割り戻すと、前期の営業利益はおよそ28億6,400万円です。そこから前年中間期の14億2,100万円を引くと、前年の下期はおよそ14億4,300万円でした。今年の下期に必要な28億8,100万円は、そのほぼ2倍です。

会社が挙げている理由は販売促進費です。前年の第4四半期に大きなブランディング施策を集中して行い、今年はそれが無くなる、と書いています。上期の販売促進費は、すでに6億500万円から5億4,800万円に減っています。

私はどう読んだか

売上が9億8,800万円増え、売上総利益が9億2,300万円増えています。増えた売上が、ほとんどそのまま粗利に残った形です。ここまでは損益計算書の数字です。

私は、利益の伸びの中心は利用の広がりで稼いだ分だ、という見方をしています。理由は、開発費の載せ方と関係のないFOOD事業でも、営業利益が4割増えているからです。ただし営業利益の伸び幅そのものは、のれん償却の減少と開発費の載せ方の変化で費用が軽くなった分を、割り引いて受け取っています。

心配性なので、先に見てしまうのは現金のほうです。利益が増えた半年に、営業キャッシュ・フローが半分になった。その差の大半は前払費用でした。上がるかは知りません。下期の短信で、前払費用がどう動くかを確かめます。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260731/140120260729502125.pdf

前払費用が半年で8億6,100万円増えた中身が何なのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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