ビックカメラ(3048)2026年8月期 通期決算分析――減損の膨らみ方が気になりました

ビックカメラ(3048)2026年8月期 通期決算分析――減損の膨らみ方が気になりました 決算を読む

はじめに

駅を出てすぐの大きなビルに入っている、家電の量販店です。池袋が本拠です。スマートフォンやパソコン、エアコン、ゲーム機、カメラまで、家の中で電気を使うものはだいたいここで揃います。

仕事帰りに充電器を買う人も、旅行中の訪日客が免税でまとめて買い物をしていくのも、こういう店です。最近は観光地の中心に、旅行客向けに品物を絞った店も出しています。

グループにはコジマやソフマップといった会社も入っています。家電とは別に、BSのテレビ局も持っています。ただ、売上のほとんどは店と通販で品物を売ることから来ています。

最高益の1年でした

2026年10月9日に出た、8月期の通期決算です。

今回前年同期増減率
売上高1兆411億6,500万円9,744億8,300万円+6.8%
営業利益376億6,400万円302億7,400万円+24.4%
経常利益389億1,100万円319億2,900万円+21.9%
純利益203億5,300万円174億7,600万円+16.5%

会社は、4つの利益すべてで過去最高を更新したと書いています。売上が7%近く伸びたのに対し、営業利益は2割以上増えました。

増えた売上のおよそ6割は、携帯電話でした

短信の最後のページに、品目ごとの売上が載っています。いちばん大きいのは携帯電話で、2,571億8,700万円です。売上全体の4分の1ほどを占め、前の年より18.8%増えています。

この伸びがどれくらい効いたのかを確かめました。2,571億8,700万円を1.188で割ると、前の年の携帯電話はおよそ2,165億円です。差は約407億円になります。

売上全体の増加は666億8,200万円です。今回の1兆411億6,500万円から、前の年の9,744億8,300万円を引いて出しました。携帯電話の約407億円は、このおよそ6割にあたります。

品目今回の売上前年比
携帯電話2,571億8,700万円+18.8%
季節家電664億円+17.9%
パソコン本体650億5,500万円+9.7%
ゲーム457億2,000万円+12.3%
冷蔵庫357億1,200万円△4.3%
テレビ342億2,100万円△2.6%

エアコンの入る季節家電も大きく伸びました。冷蔵庫とテレビは前年を下回っています。スマートフォンとエアコンの年だった、ということです。

粗利の伸びが経費の伸びを上回り、現金も付いてきた

利益が売上より速く伸びた理由は、損益計算書に出ています。

前年今回
売上総利益2,605億1,100万円2,816億3,100万円
販売費及び一般管理費2,302億3,600万円2,439億6,700万円

粗利は8%ほど増え、経費は6%ほどの増加にとどまりました。差は小さく見えます。それでも売上が1兆円ある会社では、この差が営業利益の73億9,000万円の増加になります。

キャッシュ・フロー計算書も確かめました。営業活動によるキャッシュ・フローは、253億5,500万円から395億2,500万円へ増えています。契約負債の増加も、45億1,000万円ぶん現金を増やしています。契約負債は、代金を先に受け取って、まだ約束を果たしていない分です。

反対に、在庫は現金を吸っています。棚卸資産の増加は119億4,300万円です。商品の残高は1,151億8,000万円から1,270億3,700万円へ、1割ほど増えました。売上の伸びより少し速いので、次の決算で残高がどう動くかは確かめます。

減損損失が3倍になり、その中身は短信から読み取れない

引っかかったのは特別損失です。減損損失が14億1,100万円から42億5,200万円へ増えました。前の年の3倍です。セグメントの注記によると、全額が物品販売事業で出ています。

どの店のどんな資産なのか、なぜこの期なのかは、決算短信には書かれていません。

利益がどこで削られたかは、7月14日に出た第3四半期決算と並べると見えてきます。そのときの累計の純利益は198億3,900万円でした。通期の203億5,300万円から引くと、6月から8月の3か月で積み上がった純利益は5億1,400万円です。

同じ引き算を経常利益でやります。第3四半期までの累計は341億2,800万円です。通期の389億1,100万円からこれを引くと、47億8,300万円になります。経常利益で47億円あった3か月が、純利益では5億円です。……ずいぶん削られている。

間に入るのは特別損失と税金、それに非支配株主の取り分です。本業が止まったわけではありません。ただ、減損がこの3か月にどれだけ入ったのかは、この短信の数字だけでは分かりません。

表紙には「決算補足説明資料作成の有無:有」とあり、10月20日には機関投資家向けの説明会も開くそうです。減損の中身はそちらで触れられているかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

会社はどう説明しているか

短信の4ページ目で、会社は好調の理由を品目で挙げています。スマートフォン、エアコン、パソコン、ゲームが好調で、冷蔵庫などが低調だった、という説明です。品目別の表の動きと一致しているので、ここはそのまま受け取ります。

訪日客向けの免税売上高が過去最高になったとも書いています。札幌の狸小路と那覇の国際通りに、観光客向けの新しい形の店を出したのも今期です。ただ、免税売上高の金額は短信に載っていないので、どれくらい効いたのかは測れません。

来期については、賃上げによる人件費と、金利が上がることによる支払利息の増加を見込むと書いています。支払利息は今期すでに6億3,800万円から9億1,600万円へ増えています。

来期は、上期に減らして下期で取り返す置き方

今回は通期の決算なので、予想に対する進み具合という見方は当てはまりません。代わりに、表紙に載っている来期の予想を確かめます。

通期の営業利益は390億円で、今期より3.5%増です。ところが上期だけでは181億円で、3.4%の減益としています。上期の減益を下期でどれだけ取り返す筋書きなのかを、表にしました。

営業利益上期下期通期
今期 実績約187億円約189億円376億6,400万円
来期 会社予想181億円209億円390億円

約の付いた今期上期の数字は、来期上期の予想181億円から割り戻して出しました。減少率3.4%を使い、181億円を0.966で割っています。下期はどちらも、通期から上期を引いて出しました。

今期は上期と下期をほぼ同じだけ稼いでいます。来期は上期を少し下げ、下期を1割ほど上げる形です。人件費や利息が先に重くなり、下期の売上でそれを吸収する、という筋書きだと受け取りました。

私はどう読んだか

私は、この1年の増益は本業から出たものだと考えています。理由は、粗利の伸びが経費の伸びを上回り、営業キャッシュ・フローも利益と一緒に増えているからです。品目の動きも、会社の説明と合っています。

来期上期の減益予想は、会社がコストの理由を書いているので、それ自体は気にしていません。心配性なので気にしているのは、減損が3倍になった中身と、売上より少し速く増えた在庫の2つです。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

通信に問題があるためアクセスを遮断しました。

減損損失42億5,200万円が、どの店舗のどんな資産に出たのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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