普段着と子ども服を、郊外の道沿いで売る会社
しまむらは、郊外の幹線道路沿いでよく見かける衣料品店です。肌着、靴下、パジャマ、普段着を扱います。値段の安い日用の服を、自前の工場を持たずに仕入れて売る形が中心です。最近は自分たちで企画した服も増えています。汗を早く乾かす生地のように、機能で選ばれる服に力を入れています。
同じ会社の中に、若い人向けの「アベイル」、赤ちゃんと子ども用品の「バースデイ」、生活雑貨の「シャンブル」、靴の「ディバロ」があります。台湾にも店を出しています。うちも娘の肌着はバースデイで買っています。服は毎日使うものなので、景気が良くても悪くても、買う量は大きくは変わりません。そういう商売の会社です。
売上も利益も、前年を少しずつ上回った半年
9月28日に出た中間決算です。期間は2月21日から8月20日までの半年です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,572億6,000万円 | 3,435億7,700万円 | +4.0% |
| 営業利益 | 331億2,900万円 | 314億6,100万円 | +5.3% |
| 経常利益 | 349億4,800万円 | 325億5,600万円 | +7.3% |
| 純利益 | 241億9,100万円 | 229億100万円 | +5.6% |
4つとも前年を上回りました。経常利益の伸びだけが少し大きいので、その理由はあとで書きます。
現金が564億円減ったのは、預け先を移したからでした
貸借対照表を開いて、最初に目に入ったのは現金及び預金です。半年で564億4,200万円減っています。同じ半年で、有価証券は452億9,400万円増えました。
| 期首(2月20日) | 中間期末(8月20日) | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 891億8,500万円 | 327億4,300万円 | △564億4,200万円 |
| 有価証券 | 1,531億8,300万円 | 1,984億7,700万円 | +452億9,400万円 |
| 2つの合計 | 約2,423億6,800万円 | 約2,312億2,000万円 | 約△111億4,800万円 |
| 土地 | 550億4,000万円 | 718億7,600万円 | +168億3,500万円 |
約の付いた行は、上の2行を私が足したものです。
キャッシュ・フロー計算書を見ると、有価証券を3,400億円買い、2,686億円が償還されています。短い期間の運用を回しながら、残高を積み増した形です。注記には、3か月以内に期限の来る譲渡性預金が100億円含まれているとあります。現金と有価証券を合わせると、減ったのは111億円ほどです。大半は置き場所が変わっただけでした。
営業キャッシュ・フローは271億9,400万円の入りで、純利益の241億9,100万円を上回っています。売上がきちんと現金になって戻ってきているので、ここは心配していません。
店の数は同じなのに、土地が168億円増えています
引っかかったのは、減った111億円の行き先のほうです。土地が半年で168億3,500万円増えています。有形固定資産の取得に出したお金は252億6,100万円でした。前年の同じ半年は74億4,600万円なので、3倍を超えます。
店を増やしたのかと思い、会社の説明文から店の数を拾いました。しまむらは5店を開いて5店を閉めています。アベイル、バースデイ、シャンブルも、開いた数と閉めた数が同じです。ディバロと台湾は、開店も閉店もありませんでした。国内でも海外でも、店は1つも増えていません。
……店は増えていない。じゃあ、この土地は何だ。
借りていた店の土地を買い取ったのか、物流の拠点なのか。候補はいくつか浮かびます。ただ、何の土地なのかは決算短信には書かれていません。表紙には補足説明資料を作るとあるので、そちらに説明があるのかもしれません。私はまだそれを読んでいません。
店を閉めるときの費用を、20億円上乗せしています
注記には、会計上の見積りの変更も1つありました。店を退去するときの原状回復費用について、会社は「新たな情報の入手」を理由に見積りを改めています。資産除去債務に足したのは20億6,900万円です。残高は68億1,100万円から88億1,400万円になりました。
店舗の多くを借りて商売をする会社にとっては、閉めるときの費用がこれまでより高くつく、という見直しです。こうして増えた分は建物の帳簿の額にも足され、今後の減価償却で少しずつ費用になっていくのが通常の扱いです。その「新たな情報」が何なのかも、短信からは分かりません。
経常利益の伸びには、受取利息が乗っています
営業利益は前年より16億6,800万円増えました。経常利益は23億9,200万円増えています。この差を生んだのは営業外の収益です。10億9,600万円から18億2,000万円に増えました。
中心は受取利息で、4億6,300万円から11億3,300万円へと倍以上になっています。有価証券の残高が増えたぶん、利息も増えたと私は読みました。本業の伸びだけを見るなら、営業利益の5.3%のほうが実力に近い数字です。
会社は、自社企画の服と天気を理由に挙げています
会社の説明では、6月から7月中旬の梅雨と台風で夏物の売れ行きが鈍りました。一方で、自社企画の機能性の服が好調を続けたとあります。アイドルや企業とのコラボ商品が、これまで接点の少なかった客を呼んだ、とも書いています。
| 事業 | 売上高 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| しまむら | 2,629億7,600万円 | +3.1% |
| アベイル | 374億9,300万円 | +7.5% |
| バースデイ | 408億8,300万円 | +1.8% |
| シャンブル | 98億9,600万円 | +19.5% |
| ディバロ | 5億5,600万円 | +3.2% |
| 思夢樂(台湾) | 54億5,200万円 | +17.2% |
伸び率が大きいのは規模の小さい業態です。全体を引っ張っているのは、売上の7割を占める本体の3%台の伸びです。企画が効いたという説明は数字と食い違ってはいません。ただ、効き方は控えめだと受け取っています。
販管費の内訳で、1つ意外な点がありました。広告宣伝費は57億6,900万円から53億7,100万円に減っています。企画を増やしながら広告費は減らしている。この組み合わせは、悪くない形です。
下期は、上期の倍の伸びを置いたままです
| 上期実績 | 通期予想 | 下期に必要な額 | 下期の前年比 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,572億6,000万円 | 7,291億9,300万円 | 3,719億3,300万円 | 約+4.4% |
| 営業利益 | 331億2,900万円 | 668億4,200万円 | 337億1,300万円 | 約+12.3% |
右の2列は、通期予想から上期実績を引き、前年の下期と比べた私の計算です。
売上も営業利益も、通期予想のほぼ半分まで来ています。問題は下期の中身です。営業利益は前年の下期より1割あまり多く見込んでいて、上期の5%の伸びの倍以上になります。予想は3月30日に出したまま変えていません。下期にどう伸びを上げるのかは、決算短信には書かれていません。
私はどう読んだか
私は、上期は会社の計画どおりに進んでいる、という見方をしています。理由は、進み具合がほぼ半分だからです。営業キャッシュ・フローも純利益を上回り、利益の伸びの大半は本業から出ています。
それでも、下期の1割増はまだ数字に表れていません。夏物の鈍りが秋冬で取り返せる性質のものなのかは、今回の短信の数字からはまだ見えません。心配性なので、下期の決算ではまずそこを見ます。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)
半年で168億円増えた土地が、どこの何のための土地なのかは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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