インタースペース(2122)2026年9月期 第3四半期決算分析――残り3か月の純利益500万円が腑に落ちない

インタースペース(2122)第3四半期決算分析――純利益は+256%。営業外収益は前年の19百万円から108百万円に膨らんでいた 決算を読む

ブログや比較サイトのリンクから買い物をしたことがある方は多いと思います。あの仕組みの裏側には、広告主と紹介する側の間に立って、売れたときだけ報酬が動くようにしている会社がいます。インタースペースの主力事業はこれで、名前を「アクセストレード」といいます。その真ん中で仕組みを運営し、手数料を得ています。海外にも拠点があります。

もう一つ、母親向けの情報サイト「ママスタ」を持っています。子育ての相談や体験談が集まる場所で、そこに広告を載せたり、有料の機能を提供したりしています。子会社には、商品を比べるためのメディアと、学習塾を探すサイトもあります。うちにも小さい娘がいるので、妻の画面で見たことのある名前です。

8月12日に出た第3四半期決算です。10月から6月までの9か月分になります。

利益が倍近くに増えた9か月

項目今回(9か月)前年同期増減率
売上高73億3,000万円66億5,000万円+10.2%
営業利益5億9,200万円3億800万円+91.8%
経常利益6億8,500万円3億900万円+121.2%
純利益4億1,500万円1億1,600万円+256.4%

営業利益率は4.6%から8.1%へ上がっています。純利益は3.5倍ですが、表紙の前年同期の行には営業利益△41.1%と載っています。落ち込んだ翌年の跳ね返りが入っています。

経常利益の上乗せ9,300万円は、為替と持分法から

営業利益と経常利益の差9,300万円は営業外です。損益計算書を開くと、為替差益4,787万円と持分法による投資利益4,465万円が並んでいます。前年は為替が逆向きで、差損1,422万円でした。

営業外収益の合計は、前年の1,910万円から今回の1億818万円へ増えています。営業外費用はほぼ同じなので、経常利益の増え幅のうち9,000万円ほどは、為替と持分法が押し上げた分です。これは私の引き算です。

純利益3.5倍の半分は、去年の税金が重かったから

前年は経常利益3億900万円に対して、法人税等が1億9,326万円かかっていました。6割を超えます。今回は6億8,500万円に対して2億6,989万円で、4割を切ります。前年の内訳を見ると、法人税等調整額が9,073万円あります。繰延税金資産を取り崩したのかもしれません。

ここまでは損益計算書の数字です。純利益が3.5倍になったのは、利益が倍になったことに加えて、前年の税負担が重すぎた反動が効いている、と私は受け取りました。

メディアの売上「22.8%減」は、外部向けではなく、グループ内の取引が減った分

セグメント情報に引っかかりました。4ページ目には、主力のアクセストレードは前年同期を下回ったとあります。ところがパフォーマンスマーケティングの売上は3割近く増えている。そしてメディアは2割以上の減収なのに、セグメント利益は前年並みです。注記の表を並べると、こうなります。

前年同期今回
パフォーマンスマーケティング 外部への売上42億7,521万円54億9,606万円
メディア 外部への売上12億6,869万円12億7,328万円
メディア グループ内への売上11億668万円5億6,065万円
パフォーマンスマーケティング 利益2億6,310万円5億4,659万円
メディア 利益4,564万円4,559万円

メディアが外部に売った分は、ほとんど変わっていません。減ったのは、グループ内のパフォーマンスマーケティングへ売っていた分で、半分になっています。注記には、メディアが代理人として扱う取引の相手がグループ内にいるため、連結では本人の取引として処理する、とあります。

つまり、自社のメディアに自社のネットワークの広告を載せる取引が、この9か月で半分に縮んだことになります。なぜ縮んだのかは、短信には書かれていません。

キャッシュ・フロー計算書は無いが、現金は3億円増えている

第3四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない、と注記にあります。代わりに貸借対照表を見ると、現金及び預金が期首から3億300万円増えています。売掛金の増加は5,200万円で、買掛金の増加1億3,100万円のほうが大きい。つまり、まだ受け取っていないお金より、まだ払っていないお金のほうが増えています。稼いだ分は現金として残っていると受け取れます。

もう一つ、関係会社整理損失引当金が3,863万円から44万円へ減っています。海外の拠点集約が進んで、整理が終わりに近づいたということだと思います。

会社はどう説明しているか

4ページ目では、アクセストレードはサービス業の一部広告主で広告予算の縮小が続き、前年を下回ったとあります。伸びたのは海外で、インドネシアを中心に好調だったそうです。拠点集約でコストが下がったこと、会員制のマーケティングソリューション事業でストック収益が増えたことも挙げられています。

メディアでは、ママスタの閲覧数が減って広告収益は前年を下回ったものの、課金サービスが計画を上回ったとあります。子会社の比較メディアは広告予算縮小の影響を受け、塾シルは赤字幅が縮小したそうです。

筋は通っていると思います。ただ、主力がどれだけ下回ったのか、海外がいくら稼いだのかは、短信の説明文には金額がありません。減った分と伸びた分がどう組み合わさっているのかは、測れませんでした。

9か月で通期予想の98.8%まで来ている

項目通期予想9か月の実績進捗率
売上高98億円73億3,000万円74.8%
営業利益7億円5億9,200万円84.6%
経常利益7億4,000万円6億8,500万円92.6%
純利益4億2,000万円4億1,500万円98.8%

進捗率は私が割ったものです。純利益は通期予想4億2,000万円に対して、9か月で4億1,500万円。引き算をすると、残り3か月に会社が置いている純利益は500万円になります。……9か月で年間の予想をほぼ稼ぎ終えている。いや、これは変だ。

前年と並べます。表紙には純利益の通期予想が前期比+103.9%と載っています。前期の2.039倍という意味です。4億2,000万円をこれで割ると、前期の純利益はおよそ2億600万円になります。前期の9か月分が1億1,600万円でしたから、引き算で、前年の7月から9月の3か月はおよそ9,000万円の黒字だったことになります。

残り3か月(予想から引いた)前年の同じ3か月
売上高24億7,000万円約21億9,000万円
営業利益1億800万円約6,300万円
経常利益5,500万円約8,900万円
純利益500万円約9,000万円

約の付いた数字は、通期予想の前期比と、9か月の実績から私が割り戻したものです。

売上と営業利益は前年の同じ3か月より多く、経常利益から下だけが小さい。営業利益1億800万円が経常利益5,500万円に落ちています。残り3か月に営業外で5,000万円ほどの費用が出る置き方です。経常5,500万円から純利益500万円へも落ちています。税金が5,000万円かかるということです。

この予想は、5月11日の修正で出したものを、今回そのまま据え置いています。5月の時点で、第4四半期の純利益をほぼゼロと置いていたことになります。

私はどう読んだか

読み方は2つあります。5月に直した予想を8月まで見直していないだけなのか、第4四半期に営業外の損失か重い税金を見込んでいるのか。

私は後者を先に考えています。理由は、経常と純利益だけを削っていて、削り方が営業外の費用と税金にそろっているからです。為替差益は3か月で消える種類のものですし、海外に絡む費用や税金が期末に出るのは珍しくありません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに理由があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

本業の伸びは疑っていません。営業利益が倍近くになったのは損益計算書の数字で、現金も増えています。心配性なので、第4四半期に何が出るのかを頭の片隅に置いておきます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260812/140120260812517936.pdf

残り3か月に純利益を500万円しか置いていない理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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