ウリドキ(418A)中間決算分析――営業利益3倍なのに純利益の伸びが縮む理由は、今期ではなく前年側にあった

ウリドキ(418A)中間決算分析――営業利益3倍なのに純利益の伸びが縮む理由は、今期ではなく前年側にあった 決算を読む

はじめに

ウリドキは、C2Bの買取プラットフォーム「ウリドキ」を運営している会社です。C2Bというのは、個人が持っているものを業者に売る、その間をつなぐ仕組みのことです。家に眠っているブランド品や時計を売りたい人が、どの買取店にいくらで売れるのかを比べられる場所を提供している。フリマアプリのように個人同士で売り買いするのではなく、売る相手は買取のプロです。高いものほど、素人相手より業者に売ったほうが安心だと考える人は多いはずで、会社も高単価の商材を得意としていると短信の中で書いています。事業はこのプラットフォーム事業ひとつだけ。単一セグメントなので、良いも悪いも全部この一本の話です。

7月15日に出た2026年11月期の中間決算を読みます。

この決算で何が起きたか

項目今回前年同期増減率
営業収益1,190百万円697百万円+70.6%
営業利益219百万円70百万円+211.4%
経常利益219百万円109百万円+99.2%
純利益151百万円111百万円+36.3%

収益が7割増えて、営業利益は3倍。同じ日に通期予想も上方修正しています。数字だけ見れば文句のつけようがない1ページ目です。

ただ、この表には妙なところがあります。下に行くほど伸び率が縮んでいく。営業3倍、経常2倍、純利益は4割弱。普通は逆のことも起きるにせよ、ここまできれいに縮むのは何かある。

最初の表では分からなかったこと

縮む理由は、前年の営業外にあった

8ページ目の損益計算書に答えがありました。前年同期の営業外収益に、助成金収入41,364千円が入っています。今期はゼロ。前年の経常利益109,991千円のうち、4割近くが助成金だったことになります(この割合は私が割り算した数字です)。

つまり前年の経常利益は、本業の力より大きく見えていた。今期はその下駄が外れた状態で+99.2%です。営業利益の+211.4%のほうが、本業の比較としては素直だと私は読みました。

税金も、前年は特殊だった

純利益が+36.3%までさらに縮む理由も同じく前年側です。前年同期の法人税等は△1,057千円。マイナス、つまり税金がむしろ戻る側に付いていた。今期は67,672千円をきちんと払っています。……前年の純利益、税引前より大きいのか。これは比較の土台になりません。

要するに、この会社の前年同期は「助成金をもらい、税金は実質かからない」期でした。今期はどちらも普通に戻った。表の下2行の伸び率が物足りなく見えるのは、今期が悪いのではなく、前年が特殊だったからです。

現金は2.4億円増えた。ただし全部が稼ぎではない

現金及び現金同等物は半年で241,096千円増えて673,071千円になりました。ここで引っかかったのが財務活動の欄です。新株予約権の行使による株式の発行で91,836千円が入っている。現金の増加の4割ほどは、稼いだのではなく株を発行して入ってきたお金です。発行済株式数も4,281,540株から4,611,280株へ増えています。既存の株主から見れば、1株あたりの取り分は少し薄まった。

営業活動のキャッシュ・フローは154,273千円の収入で、これはきちんとプラスです。ただ、税引前の利益219,078千円よりは小さい。差の主な理由は売掛金で、164,479千円から264,455千円へ膨らんでいます。収益が7割増えているので売掛金が増えるのは自然ですが、利益より現金が遅れて付いてくる形になっていることは覚えておきます。

利益率が変わった

営業利益率は前年同期の10.1%から18.4%へ上がりました。収益が7割増えたのに対して、営業費用は626,955千円から970,725千円と、それより緩やかにしか増えていない。プラットフォーム型の商売は、場が回り始めると費用が収益ほどには増えない構造になりやすい。この半年はまさにそれが数字に出ています。ここが今回の決算でいちばん価値のある変化だと思います。

会社はどう説明しているか

会社は、リユース市場の拡大と、長引くインフレ・円安が高単価商材の取引を広げていると書いています。市場規模は2024年で約3.3兆円、2030年には約4兆円になるという予測も引いています。上方修正の理由は「営業収益及び各段階利益が想定を上回って推移」したこと。しかも下期については「修正後の通期業績予想を上回る業績水準を目指す」と、修正したばかりの数字をさらに上回ると自分で書いています。

強気です。追い風の説明は受け取れますが、営業費用の中で何がどう効いて利益率が上がったのかまでは、決算短信には書かれていません。なお短信の2ページ目には、決算補足説明資料を同日に開示したとあります。私が今回読んだのは短信だけなので、そちらに説明があるのかもしれません。

通期予想に対して、どこまで来ているか

通期予想は今回、営業収益2,489百万円、営業利益443百万円へ引き上げられました。修正幅は営業収益で15.4%、営業利益で30.6%です。

項目進捗率残り6ヶ月に必要な額残りの前年比
営業収益47.8%1,299百万円+58.2%
営業利益49.4%224百万円+113.5%
純利益49.2%156百万円+49.3%

修正したばかりの予想に対してちょうど半分。当然といえば当然です。見るべきは残りのほうで、下期の営業利益は前年下期の2倍強を出す置き方になっています。上期に3倍を出した後なので無茶な数字ではありませんが、伸びの前提はまだ半年分残っています。

私はどう読んだか

私は良いほうに寄せて読んでいます。理由は、見た目の派手な+211.4%ではありません。利益率が10.1%から18.4%へ動いたことのほうです。助成金や税金の話は全部前年側の事情で、今期の本業を汚すものではありません。読み違いかもしれないと思っているのは売掛金で、収益の伸びに対して自然な範囲なのか、回収が遅れ始めているのかは、この短信一枚では区別がつきませんでした。次の決算でここだけ見ます。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260715/140120260714593549.pdf

営業費用970,725千円の中身が何にいくらだったのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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