ベルク(9974)2027年2月期 中間決算分析――残り半年の売上の置き方が気になる

ベルク(9974)2027年2月期 中間決算分析――残り半年の売上の置き方が気になる 決算を読む

仕事帰りに寄る、埼玉のスーパー

ベルクは、埼玉県を中心に食品スーパーを出している会社です。肉や魚、野菜、総菜、日用品まで扱っています。近所の人が仕事帰りに寄って、その晩と翌朝の分を買っていく店です。

この会社の得意は、店の作業手順をどの店でも同じにそろえ、少ない人数で回すことです。総菜はグループの工場で作り、商品は自前の物流網で運びます。自社ブランドの商品も増やしています。

スーパーの売上は、小さな買い物の積み重ねです。数字が動いたときは、客の数か、一人が買う点数か、値段のどれかが動いています。今回はどれが動いたのかを探しながら、短信を最後まで読みました。

増収のまま、利益はどれも2割以上減った

10月9日に出た中間決算です。3月から8月までの半年分になります。

今回前年同期増減率
営業収益2,169億500万円2,110億1,100万円+2.8%
営業利益69億1,400万円88億8,400万円△22.2%
経常利益70億4,000万円90億1,900万円△21.9%
純利益45億8,300万円61億4,400万円△25.4%

売上は増え、利益は減りました。同じ日に、通期の業績予想も修正されています。

粗利はほぼ守れていて、膨らんだのは販管費だった

減益の場所は、損益計算書ですぐ分かりました。

前年中間期今回
売上総利益550億500万円563億9,000万円
販売費及び一般管理費495億6,600万円530億8,300万円
営業利益88億8,400万円69億1,400万円

粗利は今回が563億9,000万円、前年が550億500万円でした。差し引きで13億8,500万円増えています。販管費は今回が530億8,300万円、前年が495億6,600万円です。差し引きで35億1,700万円の増加です。粗利の増えた分を販管費がまるごと飲み込んで、さらに利益を削りました。

粗利率は26.4%で、前年から0.1ポイント下がっただけです。値下げで粗利を削った半年ではありません。減益の中心は、販管費の側にあります。

販管費の科目ごとの内訳は、短信に載っていません。説明文には賃金の上昇と、電気代などエネルギーコストの高騰が挙がっています。人件費と光熱費が大きいのだろうと考えていますが、割り振りまでは分かりません。

借入の残高はほぼ同じなのに、利息が増えた

営業外費用に、前年には無かった科目がありました。「シンジケートローン手数料」5,100万円です。複数の銀行とまとめて借入の枠を組むときに払う手数料です。

支払利息も、1億3,100万円から2億1,100万円へ増えています。ところが貸借対照表では、長期借入金は少し減り、1年以内に返す分もほとんど変わっていません。残高が同じで利息が増えたなら、金利が上がったと考えるのが自然です。ただ、金利の説明は決算短信には出てきません。

もう一つ、資産の側に工事の跡があります。建設仮勘定が31億800万円、土地が12億8,900万円増えました。新しい借入の枠は、この工事の資金かもしれません。何の工事なのかは、短信からは分かりませんでした。

この短信に、キャッシュ・フロー計算書が無かった

私はいつも、キャッシュ・フロー計算書まで行きます。利益が出ていても、現金が入っていないことがあるからです。

今回の短信には、それがありませんでした。目次にも載っていません。中間期は載せない会社もあります。表紙に半期報告書を10月13日に出すとあるので、そちらに載るはずですが、私はまだ読んでいません。

2月末8月末
現金及び預金198億4,700万円195億6,300万円
売掛金57億2,500万円80億3,400万円
買掛金253億9,400万円289億6,200万円

売掛金も買掛金も増え、現金は半年でほぼ横ばいです。スーパーの売掛金は、カード払いなどで代金が後から入る分です。会社は自社の決済サービスを広げたと書いているので、その影響もあるかもしれません。営業キャッシュ・フローがプラスだったかどうかは、この表だけでは判定できません。

会社は「前年の高いハードル」を理由に挙げている

会社は短信の5ページ目で、売上が計画に届かなかった理由を挙げています。前年同期の高いハードルの反動、競合との価格競争、客数と買上点数の下落です。4ページ目には、お米の売上が前年より減ったことと、単体の既存店売上高が前年同期比99.6%だったことが書かれています。店は2つ開いて2つ閉じ、8月末で151店です。

このうち反動の話は、表紙の数字で確かめられます。前年の中間期の営業収益は、その前の年から11.3%伸びていました。比べる相手が強かったのは事実です。

一方で、販管費率が上がった理由を、会社は「売上高の計画未達」としています。率で見ればそうなります。けれど販管費の額が35億円以上増えています。……ここは素直には受け取れない。売上の不足だけでは、この増え方は説明しきれないと私は考えています。

コスト上昇は第3四半期以降も続くと見込み、下期はまず「客数確保」に取り組むとしています。

修正後の予想でも、下期の売上は上期より大きく伸びる

通期予想上期の実績進み具合下期に必要な額
営業収益4,430億円2,169億500万円約49%約2,260億9,500万円
営業利益154億円69億1,400万円約45%約84億8,600万円

約の付いた数字は、通期予想と上期の実績から私が割り算・引き算したものです。

営業利益は、半分に届いていません。引っかかったのは売上のほうです。下期の約2,260億9,500万円は、前年の下期より6.4%多い数字です。前年の下期は、まず通期予想4,430億円とその増減率+4.6%から、前期の通期の実績を逆算しました。そこから前年の中間期を引いて出しています。これも私の計算です。

上期は全体でも2.8%増でした。それが下期は倍以上の伸びになる予想です。新店の予定が分かれば説明が付くのかもしれませんが、その計画は決算短信には書かれていません。

修正前の数字は、同じ日に出た「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に載っています。そちらは未読なので、どれだけ下げたのかは書けません。配当予想は年132円のまま変えていません。

私はどう読んだか

読み方は二つあると思います。上期は前年の強さの反動と米の落ち込みが重なった一時的な谷で、下期は戻るという見方。もう一つは、既存店の弱さとコスト高が続き、下期の売上の置き方がまだ高いという見方です。

私は後者の見方をしています。理由は、会社自身が客数も買上点数も落ちたと書き、コスト上昇も続くと見込んでいるからです。それでいて、売上だけは上期を大きく上回る伸びを予想に入れています。その伸びの裏付けを、短信の中では見つけられませんでした。

ただ、足元は堅いままです。自己資本比率は54.2%、粗利率もほとんど崩れていません。減ったのは利益の上乗せ分で、土台ではないと考えています。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

IRライブラリ_最新 | ベルク : Belc-地域密着型スーパーマーケット
IRライブラリ_最新。埼玉・群馬を中心に関東で展開する,「安く,おいしく」を提供する地域密着型のスーパーマーケット。店舗のチラシ情報はもちろん,お買い得商品やイベントなどもご紹介します。

下期に開く店の予定と、この半年の営業キャッシュ・フローがプラスだったのかは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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