ツルハホールディングス(3391)2027年2月期 中間決算分析・続報――下期の予想が腑に落ちない

ツルハホールディングス(3391)2027年2月期 中間決算分析・続報――下期の予想が腑に落ちない 決算を読む

はじめに

ドラッグストアの会社です。風邪薬や湿布、化粧品のほか、洗剤やトイレットペーパー、最近は冷凍食品やパンまで並べています。店の奥に調剤の窓口を置く店も多くあります。病院の帰りに処方箋を出し、待っているあいだに日用品をかごに入れる。そういう使われ方をする店です。

昨年の暮れにウエルシアホールディングスと経営統合しました。二つの大きなチェーンが、仕入れも、会員のポイントも、店の出し方も一本にまとめている途中です。私の家の近所にも両方の看板があります。ただ、レジの向こうでどれだけの現金が出入りしているかは、店にいても分かりません。

9月16日に、7月8日に出た第1四半期の短信を読んで前の記事を書きました。そのときは税金の重さと、3か月で膨らんだ買掛金に引っかかりました。下期の純利益を低く置いた理由も分からないまま終えています。今回はその続きです。

統合の相手が丸ごと乗り、売上は倍を超えました

2026年10月7日に出た中間期の短信です。3月から8月までの6か月分になります。

項目今回前年同期増減率
売上高1兆2,755億1,400万円5,578億3,100万円+128.7%
営業利益547億7,000万円284億4,400万円+92.6%
経常利益548億5,000万円288億1,800万円+90.3%
純利益302億5,200万円203億6,500万円+48.5%

前年同期には、統合の相手がまだ入っていません。倍になったのはそのためで、ここは追いません。

半年の営業キャッシュ・フローは、流出でした

第1四半期にはキャッシュ・フロー計算書がありませんでした。中間期の今回は、添付資料の8ページ目にあります。私がいちばん先に開く場所です。

前年同期今回
税金等調整前中間純利益337億7,200万円549億8,600万円
仕入債務の増減額248億2,200万円△716億8,200万円
法人税等の支払額△58億200万円△226億1,100万円
営業活動によるキャッシュ・フロー471億円△170億1,500万円

利益は前年より大きいのに、本業の現金は170億1,500万円の流出です。原因ははっきりしていて、仕入れの代金を716億円あまり払い込んだことでした。貸借対照表でも、買掛金は半年で3,755億9,200万円から3,046億600万円へ縮んでいます。

……いや、これは大きい。

仕入れ代金の支払いが、期末の休みをまたいでいました

短信の3ページ目に、会社の説明があります。前の期末が金融機関の休業日だった影響だ、という一文です。

暦を見ると、2026年2月28日は土曜日でした。その日に払うはずの仕入れ代金は、3月に入ってから払われます。そうなると2月末の時点では、払っていないぶん買掛金が大きく、現金も多く残ります。その支払いが、今回の半年に入ってきたわけです。今回の期末の8月31日は月曜日で、銀行は開いていました。

ここで前の記事の話に戻ります。第1四半期の末の5月31日は、日曜日でした。私はあのとき、3か月で膨らんだ買掛金を、統合で支払い条件をそろえている途中かもしれないと書きました。曜日で説明がつく形だったと、今は考えています。前の見立ては外れでした。

ただ、716億円のうちどれだけが曜日のせいなのかは、短信には書かれていません。次の第3四半期末の11月30日は月曜日なので、休みの影響のない形で比べられます。一方、来年2月28日の通期末は日曜日です。

税金の重さは、年間の見込みを先に使った形でした

もう一つ、前の記事で引っかかった税金の続きです。

今回
税金等調整前中間純利益549億8,600万円
法人税等235億2,400万円
税金の割合約43%

約の付いた数字は、法人税等を税引前の利益で割った私の割り算です。

第1四半期と同じく、税金は重いままです。今回は添付資料の10ページ目で、計算のしかたを確かめました。年間の利益に対する見込みの税率を先に決め、それを半年の利益に掛けて出している、と注記にあります。前の記事では、この注記に触れずに書いていました。

つまり、上期の重い税率は年間を通した見込みそのものです。下期だけ税金が急に重くなる形にはなりにくい、ということになります。これが次の節に効いてきます。

短信の説明文は統合の段取りを並べ、予想には触れていません

短信の2ページ目の説明文では、統合の取り組みが並びます。商品部門の融合、新しいプライベートブランド、共通ポイントと共通アプリの準備です。下期から一部の売り場で品ぞろえと仕入れを一本にする、とも書いてあります。店は半年で53店を出して77店を閉め、5,652店になりました。

現金の流出の理由は、曜日の確認がつくので、そのまま受け取ります。一方、通期予想を据え置いた理由は、決算短信には書かれていません。表紙に決算補足説明資料があるとありますが、私はまだ読んでいません。

下期は、経常利益の4分の1しか残らない置き方です

表紙の予想は、4月9日に出したものから変わっていません。

中間実績通期予想進み具合残り6か月
売上高1兆2,755億1,400万円2兆5,550億円約50%約1兆2,794億8,600万円
営業利益547億7,000万円994億円約55%約446億3,000万円
経常利益548億5,000万円981億円約56%約432億5,000万円
純利益302億5,200万円415億円約73%約112億4,800万円

進み具合と残りは、通期予想から中間実績を引いて出したものです。

売上はちょうど半分で、営業利益と経常利益も半分を少し越えた位置です。ここまでは順当でした。純利益だけが、すでに7割を越えています。

引っかかるのは、経常利益と純利益の差です。上期は経常利益548億5,000万円のうち、302億5,200万円が純利益に残りました。半分強です。下期は経常利益432億5,000万円を見込みながら、純利益は112億4,800万円しか見込んでいません。4分の1ほどです。

税率は上期と同じ見込みを使っているはずです。上期の特別損失も、合計で18億9,400万円と小さいものでした。それでも下期だけ、300億円ほどが経常利益と純利益のあいだで消える置き方になっています。

私はどう読んだか

下期に、特別損失のような大きな費用を見込んでいる、という見方をしています。理由は、税率の注記を読んで、税金が下期に偏る線が細くなったからです。統合の仕上げとして、店の閉鎖やシステムの入れ替えに費用が出る、と考えると置き方の説明はつきます。ただし、短信にそう書いてあるわけではありません。

予想が4月のまま古いだけ、という見方もできます。上期の実績は、前の記事で書いた上期予想を営業利益でも純利益でも上回っていました。それでも動かさなかったので、私は前者だと考えています。心配性なので、下振れのほうを先に見ます。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

決算短信|株式会社ツルハホールディングス

下期に経常利益の4分の1ほどしか純利益に残らない置き方をした理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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