薬王堂ホールディングス(7679)2027年2月期 中間決算分析――130億円を借りた理由が気になる

薬王堂ホールディングス(7679)2027年2月期 中間決算分析――130億円を借りた理由が気になる 決算を読む

岩手から関東へ出ていくドラッグストア

薬王堂ホールディングスは、岩手を地盤にするドラッグストアです。東北の各県に店を広げてきて、昨年から関東にも出ています。

ドラッグストアといっても、薬だけを売る店ではありません。売上でいちばん大きいのは食品で、冷凍食品や牛乳、酎ハイまで並んでいます。トイレットペーパーや洗剤、ペットの餌、介護用のおむつもここで買えます。

東北の町で、夕方に食材と日用品をまとめて買いに寄る店。そう考えると近いと思います。風邪薬を買いに行く店というより、毎日の買い物を一か所で済ませる店です。

売上は8%増え、利益は減った半年

10月5日に出た中間決算です。3月から8月までの半年分になります。

今回前年同期増減率
売上高897億5,900万円828億2,100万円+8.4%
営業利益32億8,900万円34億7,200万円△5.3%
経常利益32億3,900万円35億7,700万円△9.5%
純利益22億3,200万円25億3,000万円△11.8%

売上は伸びましたが、営業利益から下はすべて前年を下回りました。下の段へ行くほど、減り方が大きくなっています。

粗利は増え、それ以上に販管費が増えた

損益計算書では、売上総利益が179億4,200万円から196億9,500万円へ増えています。粗利の伸びは売上の伸びより少し大きいくらいです。値引きで客を集めて粗利を削った、という形にはなっていません。

減益の原因は販売費及び一般管理費です。144億7,000万円から164億600万円へ増えました。粗利の増加17億5,300万円に対して、販管費の増加が19億3,600万円。差し引き1億8,300万円が、営業利益から消えた計算です。

販管費の内訳は決算短信には書かれていません。ただ、キャッシュ・フロー計算書の減価償却費は16億1,500万円から20億6,000万円へ増えています。この半年で13店を開き、28店を改装しました。店を増やせば、売上が育つ前に建物の償却と人件費が先に来ます。

本業の現金で出店を賄えているのに、130億円を借りた

いちばん引っかかったのはここです。

キャッシュ・フロー計算書では、営業活動で得た現金が52億8,800万円、出店や改装に使った投資の支出が53億4,500万円です。本業で稼いだ現金で、半年分の出店をほぼ賄えています。

それなのに、長期借入れによる収入が130億円あります。返済の31億7,500万円と配当を払ったあとも、現金は大きく積み上がりました。

2026年2月末2026年8月末
現金及び預金100億1,300万円187億9,500万円
1年内返済予定の長期借入金56億4,200万円72億7,300万円
長期借入金224億500万円305億9,800万円
自己資本比率39.0%35.2%

借りた分の利息は、すでに損益計算書に出ています。支払利息は、前年同期の8,500万円から2億7,900万円へ増えました。3倍を超える額です。経常利益の減り方が営業利益より大きいのは、この利息のためです。……借りた金を、利息を払いながら預金で抱えている。

なぜこの時期に130億円を借りたのかは、決算短信には書かれていません。下期の出店に充てるのだろうと思いますが、何店出す予定なのかも短信には載っていません。

会社は「概ね計画通り」と書いている

説明文では、環境を厳しいと書いています。競合の出店と値下げ競争、物価高で客が節約していること。打つ手として挙げているのは、出店と改装、価格と品揃えの強化、店舗作業や物流の手間を減らす取り組みです。

部門と地域の売上を見ると、この説明と食い違うところはありません。

今回前年同期比
ヘルス139億7,100万円+4.5%
ビューティ122億2,000万円+10.1%
ホーム199億4,500万円+12.0%
フード434億7,200万円+7.5%
東北地方874億9,100万円+6.1%
関東地方21億1,800万円+727.8%

関東は8倍以上になりましたが、まだ売上の2%台です。それより、地盤の東北だけで6%伸びていることのほうが大事だと考えています。東北の店が弱って、その穴を関東で埋めている形ではないからです。

会社は業績を「概ね計画通り」とし、4月6日に出した通期予想を変えていません。増収と減益の理由はここまでの数字で説明がつくので、そこはそのまま受け取ります。ただ、ひとつだけ素直に受け取れない点があります。

下期に求められている数字と、合わない一行

中間期通期予想進み具合残り半年に要る額前年の下期比
売上高897億5,900万円1,850億5,000万円約48.5%952億9,100万円約+17.7%
営業利益32億8,900万円55億2,000万円約59.6%22億3,100万円約+23.0%
経常利益32億3,900万円54億8,000万円約59.1%22億4,100万円約+18.6%
純利益22億3,200万円40億3,000万円約55.4%17億9,800万円約+19.9%

進み具合から右の列は、決算短信の数字をもとに私が計算したものです。

利益は半分を超えて進んでいます。ただ下期は、前年の下期より売上を2割近く、営業利益を2割以上増やす計画です。上期より明らかに速い伸びを求めています。

営業利益と経常利益の差を見ると、もう一つ変なところが出てきます。通期予想では、営業利益55億2,000万円に対して経常利益が54億8,000万円です。営業外は4,000万円のマイナスと見込まれています。上期の実績は、営業利益32億8,900万円に対して経常利益が32億3,900万円でした。営業外は5,000万円のマイナスです。

上期だけで、通期の見込みより1,000万円多くマイナスが出ているわけです。つまり下期は、営業外の収支を1,000万円のプラスと見込んでいることになります。上期は利息がかさんでマイナスでした。8月末の借入残高はそのまま下期に持ち越されています。それで利息の負担が軽くなる理由は、決算短信からは見つけられませんでした。

私の見方

私はこの決算を、出店の費用が売上より先に来た半年だと考えています。理由は、粗利が売上より速く伸び、地盤の東北でも売上が増え、営業活動の現金も前年を上回っているからです。既存の商売が弱っている兆しは、この短信の中には出てきませんでした。

心配しているのは利息です。借りたお金が店になり、売上を生むまでの間も、利息は毎月出ていきます。通期予想がそれをどう見込んでいるのか、私には分かりません。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

403 Forbidden
短信(英文)_202608.pdf

130億円を何に使うのか、通期予想が下期の利息をいくらと見込んでいるのかは、読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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