壱番屋(7630)2027年2月期 中間決算分析――米より販管費のほうが重いと読みました

壱番屋(7630)2027年2月期 中間決算分析――米より販管費のほうが重いと読みました 決算を読む

カレーの店を、自分ではあまり持たない会社です

カレーハウスCoCo壱番屋を全国に広げている会社です。ご飯の量も辛さもトッピングも、自分で決めて頼む、あの店です。昼休みに一人で入る勤め人も、部活帰りの学生も、家族連れも来ます。

店の多くは、加盟店のオーナーが営んでいます。短信でも、直営と加盟店を合わせた「店舗売上高」と、この会社自身の売上高は分けて書かれています。店のレジに入るお金と、この会社の売上は別物です。

海外にも店があります。最近は国内で、ジンギスカン、つけ麺、もつ鍋、札幌の夜パフェ、スパイスカレーの店を子会社として抱えるようになりました。親会社はハウス食品です。

売上は1割増え、利益は2割近く減りました

10月5日に出た中間決算です。3月から8月までの半年の数字です。

今回前年同期増減率
売上高352億2,700万円320億1,800万円+10.0%
営業利益20億9,100万円25億2,600万円△17.2%
経常利益21億9,100万円27億800万円△19.1%
純利益10億9,500万円13億8,400万円△20.9%

増収で減益です。この表だけでは、利益がどこで消えたのかは分かりません。

粗利は増えていて、削られたのはその下の段でした

会社は減益の理由に、米を始めとする食材の仕入価格と物流費を挙げています。それなら売上原価が重くなり、粗利が削られているはずです。そう考えて損益計算書を開きました。

前年の中間期今回の中間期
売上原価160億5,400万円178億6,300万円
売上総利益159億6,300万円173億6,400万円
販売費及び一般管理費134億3,600万円152億7,200万円
営業利益25億2,600万円20億9,100万円
売上に対する粗利の割合約49.9%約49.3%
売上に対する販管費の割合約42.0%約43.4%

約の付いた割合は、それぞれを売上高で割った私の計算です。

売上総利益は、前年の中間期の159億6,300万円から、今回は173億6,400万円になりました。差し引きで14億100万円増えています。……粗利は、増えているのか。

削られたのは一段下です。販管費は、前年の中間期の134億3,600万円から、今回は152億7,200万円になりました。こちらは18億3,600万円増えています。販管費の増加は18億3,600万円、粗利の増加は14億100万円です。前者から後者を引くと、4億3,500万円が残ります。営業利益も、25億2,600万円から20億9,100万円へ下がりました。減った額は、ちょうど同じ4億3,500万円です。

割合で比べると、もっとはっきりします。粗利の割合は、約49.9%から約49.3%へ下がりました。販管費の割合は、約42.0%から約43.4%へ上がっています。粗利の割合が下がった幅より、販管費の割合が上がった幅のほうが2倍以上大きいのです。

米の値上がりが効くのは売上原価の側で、そこにも跡はありますが、浅い跡です。物流費が売上原価と販管費のどちらに入っているのかは、決算短信には書かれていません。

販管費を押し上げていそうなもの

販管費の内訳は、決算短信には載っていません。ただ、手がかりは何か所かにあります。

国内子会社の店は前期末から8店舗増えて58店舗になり、そのうち51店舗が直営です。直営の店では、店員の給料も家賃も、この会社自身が払います。加盟店なら、そこはオーナーの負担です。

3月には、スパイスカレーの旧ヤム邸の株式を取得して、子会社にしました。キャッシュ・フロー計算書では、のれん償却額が1億4,500万円から2億2,500万円に増えています。のれん償却は、販管費に入る費用です。

一方、国内CoCo壱番屋の店舗売上高は3%近い伸びで、店舗数は前期末と同じ1,205店舗でした。会社全体の1割増は、主に海外と国内子会社から来ています。

加盟店に材料を卸す商売から、自分で店を回す商売へ。売上の中身がそちらへ少しずつ移り、そのぶん販管費が重くなっている、と私は読みました。

夏の3か月に、会社自身の見込みとの差が開きました

短信の最後の補足に、引っかかる表がありました。4月に予想を作ったとき、国内の既存店がどれだけ伸びると見込んでいたか。その見込みと実績を、会社が自分で並べています。

国内CoCo壱番屋の既存店売上高(前年同期比)第1四半期第2四半期中間期
見込み+2.6%+3.3%+2.9%
実績+2.5%+2.4%+2.4%
差△0.1ポイント△0.9ポイント△0.5ポイント

6月から8月は、見込みより1ポイント近く低くなりました。この3か月は客数が前年同期より0.5%減り、客単価は3.0%増えています。来る人が少し減って、一人が払う額が上がった形です。

海外の既存店は、第1四半期に見込みを大きく上回り、第2四半期は見込みどおりでした。

米と物流費という説明は、半分だけ受け取ります

短信によれば、増収の理由は国内の既存店が堅調だったことと、海外と国内子会社の広がりです。客単価は、コラボ企画と単価の高い期間限定メニューで上がった、とも書いています。減益の理由は、米を始めとする食材の仕入価格と物流費の増加です。

増収のほうは、そのまま受け取ります。補足の表と合っているからです。

減益の説明には留保をつけます。理由は、損益計算書で大きく動いたのが販管費の側だからです。直営の店が増えたことにも、のれん償却にも、短信の説明文は触れていません。表紙には「決算補足説明資料作成の有無:有」とあり、そちらに内訳があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

下期に、営業利益を3割増やす予想です

通期予想中間まで進み具合残り6か月に要る額残り6か月の前年比
売上高726億円352億2,700万円約48.5%約373億7,300万円約+11.6%
営業利益50億円20億9,100万円約41.8%約29億900万円約+32.7%
純利益27億2,000万円10億9,500万円約40.3%約16億2,500万円約+37.8%

約の付いた数字は私の計算です。進み具合は中間までの数字を通期予想で割り、残りは通期予想から中間までを引きました。残りの前年比は、まず予想の増減率から前年の通期の数字を割り戻します。そこから前年の中間期を引いた額が前年の残り6か月で、それと比べています。

予想は4月6日に出したものから変わっていません。売上は半分近くまで来ていますが、営業利益は4割ほどです。残り6か月の営業利益29億900万円は、前年の同じ時期より3割増やす予想です。

配当は年16円の予想で、通期予想の1株利益17.04円のほぼ全部にあたります。中間配当の8円は、中間の1株利益6.86円を上回っています。

ただ、現金は122億2,700万円残っていて、自己資本比率は66.5%です。営業キャッシュ・フローも23億2,700万円の入りでした。配当を払うお金に、すぐ困る会社ではありません。

下期の予想は、重いほうだと考えています

私は、下期の予想は重いほうだと考えています。理由は、販管費を押し上げている直営の店とのれん償却が、季節が変われば消える種類の費用ではないからです。夏の3か月に既存店が見込みから離れ、客数も減りましたが、予想は動いていません。

それでも据え置いた以上、会社は下期に何か取り返す手を見込んでいるはずです。それが何かは、短信からは分かりませんでした。次の短信では、最後の補足の表から開くつもりです。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

IRライブラリー|株式会社壱番屋
株式会社壱番屋の公式サイトです。会社概要、株主・投資家向け情報、地域社会・環境への取り組みなどをご紹介します。

販管費が18億円あまり増えた内訳と、新しく出した1億円の長期貸付けの相手は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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