カレーの店を、自分ではあまり持たない会社です
カレーハウスCoCo壱番屋を全国に広げている会社です。ご飯の量も辛さもトッピングも、自分で決めて頼む、あの店です。昼休みに一人で入る勤め人も、部活帰りの学生も、家族連れも来ます。
店の多くは、加盟店のオーナーが営んでいます。短信でも、直営と加盟店を合わせた「店舗売上高」と、この会社自身の売上高は分けて書かれています。店のレジに入るお金と、この会社の売上は別物です。
海外にも店があります。最近は国内で、ジンギスカン、つけ麺、もつ鍋、札幌の夜パフェ、スパイスカレーの店を子会社として抱えるようになりました。親会社はハウス食品です。
売上は1割増え、利益は2割近く減りました
10月5日に出た中間決算です。3月から8月までの半年の数字です。
| 今回 | 前年同期 | 増減率 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 352億2,700万円 | 320億1,800万円 | +10.0% |
| 営業利益 | 20億9,100万円 | 25億2,600万円 | △17.2% |
| 経常利益 | 21億9,100万円 | 27億800万円 | △19.1% |
| 純利益 | 10億9,500万円 | 13億8,400万円 | △20.9% |
増収で減益です。この表だけでは、利益がどこで消えたのかは分かりません。
粗利は増えていて、削られたのはその下の段でした
会社は減益の理由に、米を始めとする食材の仕入価格と物流費を挙げています。それなら売上原価が重くなり、粗利が削られているはずです。そう考えて損益計算書を開きました。
| 前年の中間期 | 今回の中間期 | |
|---|---|---|
| 売上原価 | 160億5,400万円 | 178億6,300万円 |
| 売上総利益 | 159億6,300万円 | 173億6,400万円 |
| 販売費及び一般管理費 | 134億3,600万円 | 152億7,200万円 |
| 営業利益 | 25億2,600万円 | 20億9,100万円 |
| 売上に対する粗利の割合 | 約49.9% | 約49.3% |
| 売上に対する販管費の割合 | 約42.0% | 約43.4% |
約の付いた割合は、それぞれを売上高で割った私の計算です。
売上総利益は、前年の中間期の159億6,300万円から、今回は173億6,400万円になりました。差し引きで14億100万円増えています。……粗利は、増えているのか。
削られたのは一段下です。販管費は、前年の中間期の134億3,600万円から、今回は152億7,200万円になりました。こちらは18億3,600万円増えています。販管費の増加は18億3,600万円、粗利の増加は14億100万円です。前者から後者を引くと、4億3,500万円が残ります。営業利益も、25億2,600万円から20億9,100万円へ下がりました。減った額は、ちょうど同じ4億3,500万円です。
割合で比べると、もっとはっきりします。粗利の割合は、約49.9%から約49.3%へ下がりました。販管費の割合は、約42.0%から約43.4%へ上がっています。粗利の割合が下がった幅より、販管費の割合が上がった幅のほうが2倍以上大きいのです。
米の値上がりが効くのは売上原価の側で、そこにも跡はありますが、浅い跡です。物流費が売上原価と販管費のどちらに入っているのかは、決算短信には書かれていません。
販管費を押し上げていそうなもの
販管費の内訳は、決算短信には載っていません。ただ、手がかりは何か所かにあります。
国内子会社の店は前期末から8店舗増えて58店舗になり、そのうち51店舗が直営です。直営の店では、店員の給料も家賃も、この会社自身が払います。加盟店なら、そこはオーナーの負担です。
3月には、スパイスカレーの旧ヤム邸の株式を取得して、子会社にしました。キャッシュ・フロー計算書では、のれん償却額が1億4,500万円から2億2,500万円に増えています。のれん償却は、販管費に入る費用です。
一方、国内CoCo壱番屋の店舗売上高は3%近い伸びで、店舗数は前期末と同じ1,205店舗でした。会社全体の1割増は、主に海外と国内子会社から来ています。
加盟店に材料を卸す商売から、自分で店を回す商売へ。売上の中身がそちらへ少しずつ移り、そのぶん販管費が重くなっている、と私は読みました。
夏の3か月に、会社自身の見込みとの差が開きました
短信の最後の補足に、引っかかる表がありました。4月に予想を作ったとき、国内の既存店がどれだけ伸びると見込んでいたか。その見込みと実績を、会社が自分で並べています。
| 国内CoCo壱番屋の既存店売上高(前年同期比) | 第1四半期 | 第2四半期 | 中間期 |
|---|---|---|---|
| 見込み | +2.6% | +3.3% | +2.9% |
| 実績 | +2.5% | +2.4% | +2.4% |
| 差 | △0.1ポイント | △0.9ポイント | △0.5ポイント |
6月から8月は、見込みより1ポイント近く低くなりました。この3か月は客数が前年同期より0.5%減り、客単価は3.0%増えています。来る人が少し減って、一人が払う額が上がった形です。
海外の既存店は、第1四半期に見込みを大きく上回り、第2四半期は見込みどおりでした。
米と物流費という説明は、半分だけ受け取ります
短信によれば、増収の理由は国内の既存店が堅調だったことと、海外と国内子会社の広がりです。客単価は、コラボ企画と単価の高い期間限定メニューで上がった、とも書いています。減益の理由は、米を始めとする食材の仕入価格と物流費の増加です。
増収のほうは、そのまま受け取ります。補足の表と合っているからです。
減益の説明には留保をつけます。理由は、損益計算書で大きく動いたのが販管費の側だからです。直営の店が増えたことにも、のれん償却にも、短信の説明文は触れていません。表紙には「決算補足説明資料作成の有無:有」とあり、そちらに内訳があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。
下期に、営業利益を3割増やす予想です
| 通期予想 | 中間まで | 進み具合 | 残り6か月に要る額 | 残り6か月の前年比 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 726億円 | 352億2,700万円 | 約48.5% | 約373億7,300万円 | 約+11.6% |
| 営業利益 | 50億円 | 20億9,100万円 | 約41.8% | 約29億900万円 | 約+32.7% |
| 純利益 | 27億2,000万円 | 10億9,500万円 | 約40.3% | 約16億2,500万円 | 約+37.8% |
約の付いた数字は私の計算です。進み具合は中間までの数字を通期予想で割り、残りは通期予想から中間までを引きました。残りの前年比は、まず予想の増減率から前年の通期の数字を割り戻します。そこから前年の中間期を引いた額が前年の残り6か月で、それと比べています。
予想は4月6日に出したものから変わっていません。売上は半分近くまで来ていますが、営業利益は4割ほどです。残り6か月の営業利益29億900万円は、前年の同じ時期より3割増やす予想です。
配当は年16円の予想で、通期予想の1株利益17.04円のほぼ全部にあたります。中間配当の8円は、中間の1株利益6.86円を上回っています。
ただ、現金は122億2,700万円残っていて、自己資本比率は66.5%です。営業キャッシュ・フローも23億2,700万円の入りでした。配当を払うお金に、すぐ困る会社ではありません。
下期の予想は、重いほうだと考えています
私は、下期の予想は重いほうだと考えています。理由は、販管費を押し上げている直営の店とのれん償却が、季節が変われば消える種類の費用ではないからです。夏の3か月に既存店が見込みから離れ、客数も減りましたが、予想は動いていません。
それでも据え置いた以上、会社は下期に何か取り返す手を見込んでいるはずです。それが何かは、短信からは分かりませんでした。次の短信では、最後の補足の表から開くつもりです。上がるかは知りません。
出典:決算短信(会社発表)

販管費が18億円あまり増えた内訳と、新しく出した1億円の長期貸付けの相手は、決算短信からは読み取れませんでした。
調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。
全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。
買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。
本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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