ネクステージ(3186)2026年11月期 第3四半期決算分析――利益の伸びは経費の側だと読みました

ネクステージ(3186)2026年11月期 第3四半期決算分析――利益の伸びは経費の側だと読みました 決算を読む

はじめに

ネクステージは中古車を販売する会社です。店に並んだ車の中から、車を乗り換える家族や、初めて車を持つ人が一台を選んでいきます。軽自動車から輸入車まで、車の種類ごとに店を分けているのが特徴で、新車のディーラーも持っています。

中古車の買取もしています。乗らなくなった車を持ち込むと、値段を付けて引き取ってくれる窓口です。今回の決算期間にも、買取だけを受け付ける店を東京と大阪に出しています。

うちは賃貸暮らしで、車を持っていません。それでも週末に広い駐車場のある中古車店の前を通ると、家族連れが車の周りをゆっくり回っています。あの光景の裏で、何台の車が動き、どれだけの利益が残っているのか。それを確かめに行きました。

9か月で、営業利益は1.7倍近くに

2026年10月5日に発表された第3四半期決算です。対象は2025年12月から2026年8月までの9か月です。

今回前年同期増減率
売上高6,004億2,200万円4,766億6,000万円+26.0%
営業利益216億2,400万円129億7,500万円+66.7%
経常利益201億8,700万円124億600万円+62.7%
純利益138億4,500万円79億1,500万円+74.9%

売上の伸びより、利益の伸びのほうがずっと大きい決算です。その差がどこから生まれたのかは、この表からは分かりません。

粗利の率は落ちたのに、経費がほとんど増えていない

短信の7ページ目の損益計算書で、最初に引っかかったのは売上総利益の行です。

前年同期今回増え方
売上高4,766億6,000万円6,004億2,200万円+26.0%
売上総利益820億3,700万円962億6,300万円約17%増
販売費及び一般管理費690億6,200万円746億3,800万円約8%増
売上に対する粗利の率約17.2%約16.0%
売上に対する販管費の率約14.5%約12.4%

約の付いた数字は、損益計算書の金額から私が割り算したものです。

売上が26%増えたのに、売上総利益は17%ほどしか増えていません。売上100円あたりに残る粗利で比べてみます。前年同期は17円台でしたが、今回は16円ほどへ薄くなりました。ここまでは損益計算書の数字です。

それでも営業利益が1.7倍近くになったのは、販管費が8%ほどしか増えていないからです。人件費、店の費用、広告費がまとめて入る行です。店舗は前年同期の353から367に増えています。店を増やしながら、経費の伸びを売上の伸びの3分の1ほどに収めたことになります。

1台あたりの儲けが厚くなったのではありません。売れる台数が増え、店と人の費用がその台数に薄く広がりました。そこから利益が出てきた、と私は読みました。

台数は2割弱、金額は2割半ばの伸び

5ページ目に、地域別の販売実績の表があります。販売台数は全国で33万1,542台から39万74台へ、17.7%増えました。6つの地域すべてで、前年同期の台数を超えています。

販売高は26.0%増で、台数より金額が大きく伸びています。1台あたりの値段が高くなった計算です。高い車の割合が増えたのか、新車の販売が伸びたのかは、この表では分けられません。粗利の率が薄くなったこととも関わっていそうですが、そこまでは確かめられませんでした。

拠点の数にも動きがあります。創業の地域である東海北陸では拠点を2つ減らし、関東甲信越では8つ増やしています。

この短信には、キャッシュ・フロー計算書が無い

いつもの順番で、キャッシュ・フロー計算書を探しました。9ページ目の注記に「四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」とあります。第3四半期は作らなくてよい決まりなので、手続きとしての問題はありません。……ただ、そこまでめくって空振りなのは、やはりこたえる。

代わりに、貸借対照表で現金の動きを追います。

2025年11月30日2026年8月31日
現金及び預金176億8,600万円324億900万円
商品885億400万円1,002億8,100万円
売掛金201億4,000万円264億3,200万円
短期借入金79億7,300万円89億5,600万円
1年内返済予定の長期借入金220億3,200万円390億7,000万円
長期借入金612億1,300万円627億4,200万円

現金は9か月で147億2,300万円増えました。表の借入金3行を足すと、912億1,800万円から1,107億6,800万円になります。差し引きで195億5,000万円の増加です。これは私の足し算です。

借りた分の多くが、そのまま現金として手元に残っている形です。在庫の車にあたる商品も117億7,600万円増えています。1年以内に返す借入が170億円増えたので、返済に備えて現金を厚く持っているのかもしれません。ただ、本業で現金がどれだけ入ってきたのかは、この短信からは確かめられません。

営業外の費用が、9億円近く増えている

経常利益の伸びが営業利益より小さいのは、営業外費用が10億7,600万円から19億900万円に増えたからです。

前年同期今回
支払利息7億500万円8億9,600万円
デリバティブ評価損7,800万円5億5,300万円
支払手数料2,700万円1億3,000万円

いちばん増えたのはデリバティブ評価損です。9ページ目の「表示方法の変更」には、金額が大きくなったので独立した行に出すことにした、とだけ書かれています。何の取引なのかは、決算短信には書かれていません。支払手数料が5倍近くになった理由も同じです。

会社は、業界の数字と出店を挙げている

4ページ目で会社が書いているのは、景気がゆるやかに持ち直していること、中古車の国内登録台数が前年同期比100.8%だったこと、そして買取の店を3つ出したことです。

業界全体の台数がほぼ横ばいのなかで、この会社の販売台数は2割近く増えています。その差の理由として説明文に挙がっているのは、出店だけです。粗利の率が下がった理由や、販管費を抑えられた理由は、短信には書かれていません。新しく設立して連結に加えた4社が何をする会社なのかも、短信からは分かりません。

書かれている事実は、そのまま受け取ります。ただ、利益の伸びの中身までは説明していない文章でした。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、そちらに説明があるのかもしれませんが、私はまだ読んでいません。

残り3か月の売上を、前年より2割近く少なく見込んでいる

9か月の実績通期予想進み具合残り3か月に必要な額
売上高6,004億2,200万円7,460億円約80.5%1,455億7,800万円
営業利益216億2,400万円276億円約78.3%59億7,600万円
純利益138億4,500万円171億円約81.0%32億5,500万円

約の付いた進み具合は、私が通期予想で割ったものです。残り3か月の額は、通期予想から9か月の実績を引いています。

9か月で4分の3の目安を超えているので、ここまでは順調です。引っかかるのは、残りの3か月の置き方です。

表紙の売上予想7,460億円は、前期より14.4%多い数字です。そこから逆算すると、前期の通期売上は約6,521億円です。そこから前年の9か月の4,766億6,000万円を引くと、前年の9月から11月はおよそ1,754億円になります。今年の同じ3か月を、会社は1,455億7,800万円と見込んでいます。2割近く少ない数字です。純利益に至っては、3割以上減る見込みです。

この予想は7月6日に修正されたものです。7月6日は、この第3四半期のさなかにあたります。そのあと6月から8月の結果が出そろっても、会社は数字を動かしませんでした。

私はどう読んだか

予想が7月の時点のまま控えめに据え置かれているのか。それとも、9月以降に何か悪い材料を見込んでいるのか。このどちらかだと思います。

私は前者の見方をしています。理由は、9か月のあいだ全地域で台数が前年を超え、直近の3か月にも店を出しているからです。そこから売上が急に2割近く落ちる姿は、短信の数字からは出てきません。

それでも、粗利の率が薄くなったこと、借入が200億円近く増えたこと、現金の出入りを確かめられないことは、頭に残っています。心配性なので、次の通期決算ではキャッシュ・フロー計算書から先に開きます。この先どうなるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

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残り3か月の売上を前年より少なく見込んでいる理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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