大光(3160)2027年5月期 第1四半期決算分析――3事業すべて減益が気になる

大光(3160)2027年5月期 第1四半期決算分析――3事業すべて減益が気になる 決算を読む

飲食店の厨房に、箱で届ける商売

岐阜に本社のある業務用食品の卸です。レストラン、ホテル、居酒屋、それに給食や病院の厨房へ、食材を箱の単位で運んでいます。家庭用の袋ではなく、冷凍の揚げ物が何キロ、だしの素が何リットル、という売り方です。

この会社にはもう一つ、「アミカ」という業務用食品のスーパーがあります。愛知と岐阜を中心に店を出していて、プロの料理人も、普通の買い物客も入れます。卸で運んでいる商品を、店の棚でも売っている形です。

子会社では水産品の卸もやっています。大手の水産会社を相手に魚を回し、輸出にも手を出しています。決算は5月で締まる会社です。

この決算で何が起きたか

2026年9月24日に、6月から8月までの第1四半期が出ました。

項目今回前年同期増減率
売上高206億300万円188億2,500万円+9.4%
営業利益△300万円4,200万円—
経常利益900万円3,100万円-71.3%
純利益△900万円400万円—

売上は1割近く伸びています。そのうえで営業損益が赤字に落ちた、という四半期です。

粗利は3億1,970万円の上積み、販管費は3億6,612万円の上積み

損益計算書(短信8ページ目)を見ます。売上総利益は36億571万円から39億2,541万円へ伸びました。上積みは3億1,970万円です。販売費及び一般管理費は35億6,292万円から39億2,904万円へ増えています。こちらの上積みは3億6,612万円でした。差は4,642万円です。3億6,612万円から3億1,970万円を引いた額で、営業損益の落ち込み幅とほぼ重なります。

売った分の儲けは、きちんと膨らんでいます。商品が売れなくなった四半期ではありません。……いや、順番が逆だ。儲けの増えた額より、経費の増えた額のほうが大きい。

販管費の内訳は、決算短信には載っていません。何が重くなったのかは、ここからは特定できません。

外商、アミカ、水産品。3つとも利益は前年より下

事業ごとの数字(10ページ目)を並べます。

事業売上高前年同期比営業利益前年同期比
外商142億3,600万円+14.8%9,900万円-2.5%
アミカ57億8,200万円+1.2%1億4,500万円-26.3%
水産品6億2,400万円-15.2%100万円-69.3%

柱の外商は1割半ほど売上を伸ばして、利益はわずかに後退しました。アミカは売上がほぼ横ばいで、利益が4分の1以上落ちています。水産品は売上も利益も下を向きました。

3つを足した利益は2億4,666万円で、ここから本社の経費2億5,320万円を引くと、営業損益の赤字になります。前年の本社経費は2億6,522万円でしたから、本社側は1,202万円削っています。削ったうえで赤字という並びです。

借入を減らしたのに、支払利息は1,245万円重くなっている

営業外費用のほうも引っかかりました。支払利息が2,120万円から3,365万円へ増えています。経常利益は900万円です。利息の増えた額のほうが、残った経常利益より大きいことになります。

借入金の残高は、前の期末より減っています。短期借入金が2億2,900万円、長期借入金が3億3,800万円の減少(5ページ目)。前年の8月末にいくら借りていたかは、この短信の貸借対照表には載っていません。載っているのは5月末との比較だけです。

営業外収益も4,822万円から6,159万円へ上向いています。内訳のうち「その他」が459万円から2,019万円へ動きました。この中身も決算短信には書かれていません。

借入についてはもう一つ、注記に財務制限条項が出ています。シンジケートローン20億8,333万円に、2つの条件が付いています。各年度末の経常損益が2期連続で損失にならないこと、純資産を2023年5月期末の75%以上に保つことです。当四半期末では抵触していないと書かれています。ただ、2023年5月期末の純資産額そのものは短信に載っていないので、どれだけ余裕があるかは分かりません。

現金は6億5,200万円増えたが、四半期のキャッシュ・フロー計算書は無い

現金及び預金は7億1,617万円から13億6,851万円へ増えました。会社の説明では6億5,200万円の増加です。

その中身を追おうとすると、止まります。11ページ目に「当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません」とあり、載っているのは減価償却費1億6,236万円だけでした。現金がどこから来てどこへ出たのかは、決算短信からは追えません。

貸借対照表から分かるのは、受取手形及び売掛金が11億4,400万円減り、買掛金が3億1,600万円増えたことです。売上が1割近く伸びた期に売掛金が1割以上減るのは、それだけ見れば妙な動きです。ただ、比べている相手は決算期末の5月末です。締めの集中する月と8月末を並べているので、私はこれを季節の差だと考えています。前年8月末の売掛金はこの短信に無いので、回収の進み方がどれだけ効いたかは切り分けられませんでした。

会社はどう説明しているか

4ページ目で、会社は外食産業について「インバウンド需要などを背景に回復基調にあるものの、原材料価格や物流費の上昇、慢性的な人手不足は改善しておらず、厳しい状況が継続」と書いています。得意先の厨房の事情が、そのまま仕入れの量に出る商売です。

外商では「調理の省力化につながる商品」の提案営業に力を入れたとあります。人手の足りない厨房に、手間の少ない食材を売る。給食、病院、中食への新規開拓も挙げています。アミカは6月に郡上八幡店(岐阜県郡上市)を開業し、期末の店舗数は55になりました。

経費については「業務の効率化による人件費の削減や物流費をはじめとした経費の抑制に取り組み」と書かれています。本社経費が減っているのは、その通りの結果です。それでも販管費の総額は3億6,612万円増えました。新店の開業費用がアミカの減益にどれだけ効いたかは、短信には書かれていません。

通期予想に対して、どこまで来ているか

予想は7月14日に出したまま、変更なしです。

項目第1四半期 実績上期 会社予想通期 会社予想
売上高206億300万円412億円856億円
営業利益△300万円2,000万円6億3,000万円
経常利益900万円2,000万円6億3,000万円
純利益△900万円500万円4億円

売上は通期の4分の1ほどまで来ていて、目安どおりの進み方です。利益のほうは、経常で1.4%、営業と純利益は進んでいません。これは私の割り算です。

第1四半期が300万円の赤字です。上期予想の営業利益2,000万円に届かせるには、9月から11月の3か月で2,300万円を出す置き方になります。通期の6億3,000万円から上期の2,000万円を引きます。下期は6億1,000万円です。利益のほとんどを、12月以降の6か月に置いた予想です。

残りの9か月で必要な経常利益は6億2,100万円で、前年の同じ9か月の2倍になります。配当は年15円のまま据え置きで、予想1株利益28.02円に対する配当性向は5割を超えます。

私はどう読んだか

私は、下期に利益を集めたこの予想のほうを疑っています。理由は、利益を削ったのが原材料価格と物流費と人手の値段だからです。どれも会社自身が「改善しておらず」と書いているものです。四半期で消える種類の経費ではありません。

3つの事業のどれも利益を落とし、本社経費を削っても営業は赤字でした。下期に6億1,000万円を積むには、どこかが入れ替わる必要があります。それが何なのかは、決算短信からは分かりませんでした。

もともと心配性で、上振れより先に下振れを見る性分です。売上が伸びていること、借入を返していること、売掛金が回収されていることは、どれも短信に書かれた事実として受け取っています。そのうえで、経費のほうに目が残りました。

出典:決算短信(会社発表)

株式会社 大光 : IRライブラリー

支払利息が1年で1,245万円重くなった理由は、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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