テラプローブ(6627)決算分析――中間純利益5,678百万円のうち、親会社株主に残ったのは2,717百万円でした

8月14日に決算を発表したテラプローブ(6627)――中間純利益5,678百万円のうち、親会社株主に残ったのは2,717百万円でした 決算を読む

はじめに

テラプローブは、半導体のテスト工程を受託している会社です。半導体は作って終わりではなく、ちゃんと動くかを一つひとつ検査してから出荷されます。その検査を、半導体メーカーの代わりに引き受けるのがこの会社の仕事です。自前で検査設備を持ちたくないメーカーや、生産が急に増えて検査が追いつかないメーカーが顧客になります。

いま検査の依頼が増えているのは、データセンタ向けのプロセッサーだそうです。要するに、AIやクラウドの裏側で動いているサーバー用の頭脳です。あの分野の投資が増えれば、作られる半導体が増え、検査の仕事も増える。そういう位置にいる会社です。

なお、台湾の半導体後工程大手が親会社になっています。この構図が、今回の決算を読むうえで効いてきます。あとで書きます。

この決算で何が起きたか

項目今回前年同期増減率
売上高27,31019,017+43.6%
営業利益7,2093,720+93.8%
経常利益7,1833,452+108.1%
純利益2,7171,291+110.3%

(単位:百万円)

売上が4割増えて、利益はどれも倍前後。営業利益率は19.6%から26.4%へ上がっています。1ページ目だけ見れば、文句のつけようがない中間決算です。

最初の表では分からなかったこと

利益の半分以上は、親会社株主のものではない

8ページ目の損益計算書に引っかかりました。中間純利益は5,678百万円あります。ところがその内訳を見ると、非支配株主に帰属する分が2,961百万円。親会社株主に帰属する分、つまり上の表の「純利益」2,717百万円より、非支配株主の取り分のほうが大きいのです。

この会社は台湾の後工程大手の傘下にあり、連結の中に持分が半分に満たない子会社を抱えている構図です。子会社側が稼ぐほど、連結の利益は膨らみますが、その半分以上は外へ流れていく。「純利益110%増」という見出しの中身は、こういう配分になっています。

稼いだ現金より、出ていった現金のほうが大きい

9ページ目のキャッシュ・フロー計算書です。

項目今回前年同期
営業CF13,5649,846
有形固定資産の取得△24,911△9,240
長期借入れによる収入35,0605,900
現金及び現金同等物の増減△561+5,974

(単位:百万円)

営業CFは13,564百万円と、しっかりプラスです。ここは健全です。ただ、設備の取得にその倍近い24,911百万円を使っています。足りない分は借入で埋めていて、長期借入金は期末残高で23,300百万円から32,966百万円へ増えました。6ページ目を見ると建設仮勘定が11,700百万円まで積み上がっています。……検査の会社は、装置がなければ受託できない。仕事が来ると分かっているから先に買う。理屈は通ります。

ただし自己資本比率は40.2%から36.4%へ下がりました。借りて、買って、稼ぐ。うまく回っている間はいい循環ですが、回る前提は受託量が高水準で続くことです。

配当の予想欄が空欄のまま

1ページ目の配当の表で、2026年12月期の予想は第2四半期末0.00円のあとが「―」です。前期は期末に110.00円を出しています。10月に1株を5株へ分割する予定があるので単純には並べられませんが、今期いくら出すつもりなのかは、この短信からは分かりません。

熊本の事業所が地震で被災している

13ページ目、いちばん最後に書かれています。7月28日の地震で九州事業所が被災し、当期への影響は調査中。人的被害はなく建屋も無事、一部生産は再開して段階的に操業を引き上げている、とのことです。通期予想はこの状態で「過去最高更新の見通し」と出されています。影響が軽微で済むと見ているのか、まだ織り込みようがないのか、短信の文面からは判別できません。

会社はどう説明しているか

会社の説明はシンプルです。データセンタ向けプロセッサーが好調で、新規顧客の量産も始まった。減価償却費や人件費、夏の電力の割増料金で費用は膨らんだが、売上の増加がそれを吸収した。第3四半期も受託量は増える見込みで、通期は売上も各利益も過去最高を更新する見通し――。

売上の中身は説明を裏付けています。4ページ目の製品別内訳で、ロジック製品が17,705百万円から25,110百万円へ伸びており、伸びのほぼ全部がここです。第2四半期単独でも前四半期比14.7%増と、勢いは期中でむしろ加速しています。この比較は前年同期ではなく前四半期に対する数字です。念のため。

通期予想に対して、どこまで来ているか

項目進捗率
売上高46.2%
営業利益44.2%
純利益45.3%

半分にわずかに届いていませんが、会社は下期のほうが大きい計画を立てています。残り6ヶ月に必要な営業利益は9,091百万円で、これは前年の同じ期間より7割以上多い置き方です。これは私が機械計算の数字をそのまま持ってきたもので、強気な置き方に見えます。ただ第2四半期単独の勢いが第3四半期も続くなら、無理筋とまでは言えません。会社は第3四半期について「第2四半期を上回る見込み」と具体的に書いています。

私はどう読んだか

事業そのものは、良い決算だと読んでいます。売上の伸びが費用の伸びを上回り、利益率が上がっている。営業CFも増えている。ここに文句はありません。

そのうえで、私は「連結の見た目より、親会社株主に届く分で考える」ほうに寄せて読みました。理由は、利益の半分以上が非支配株主に流れる構図と、稼ぎを上回る投資を借入で賄っている財務の形です。投資が実って受託が続けば回収できる話ですが、いま手元にあるのは「回収できるはずの装置」であって現金ではない。心配性なだけかもしれませんし、私の読み違いかもしれません。

地震の影響額と、今期の配当。この2つが埋まっていない状態での「過去最高の見通し」だということは、覚えておこうと思います。

出典:決算短信(会社発表)

https://www.teraprobe.com/cwp/wp-content/uploads/20262Q_financialresults.pdf

熊本地震が通期の業績に与える影響額は、この短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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