コナミグループ(9766)2027年3月期 第1四半期決算分析――残り9か月の置き方が気になる

コナミグループ(9766)2027年3月期 第1四半期決算分析――残り9か月の置き方が気になる 決算を読む

はじめに

コナミグループは、ゲームを作っている会社です。家庭用ゲーム機やスマートフォンで遊ぶサッカーゲーム「eFootball」、野球の「パワプロ」、紙のカードで対戦する「遊戯王カードゲーム」はこの会社のものです。ゲームセンターに置く音楽ゲームやメダルゲームの機械も作っています。

ゲームのほかに、顔がもう2つあります。1つは、米国や豪州のカジノに置くスロットマシンと、カジノの運営を管理する仕組みの販売です。もう1つはコナミスポーツクラブです。大人のジムに加えて、子どもの水泳や体操のスクール、学校の水泳授業の受託もしています。子どもの習い事で、この名前を見たことのある人もいると思います。

第1四半期として過去最高でした

2026年7月30日に出た、2027年3月期の第1四半期決算です。

項目今回前年同期増減率
売上高1,295億2,400万円969億6,400万円+33.6%
営業利益452億8,500万円277億3,200万円+63.3%
経常利益———
純利益325億7,400万円198億3,400万円+64.2%

この会社は国際会計基準で決算を出しているので、経常利益の欄がありません。売上は3割増え、利益は6割増えています。営業利益を売上高で割った利益率は、私の計算で28.6%から35.0%に上がっています。

増えた売上は、ほぼ丸ごと日本の会社の分でした

短信の最後のほうに、地域別の売上が載っています。

地域前年同期今回
日本712億1,100万円1,036億9,700万円
米国159億400万円163億3,400万円
欧州58億4,500万円39億2,300万円
アジア・オセアニア40億400万円55億7,000万円

日本は、今回の1,036億9,700万円から前年同期の712億1,100万円を引きます。324億8,600万円の増加です。全体では、売上高の1,295億2,400万円から前年同期の969億6,400万円を引きます。増えたのは325億6,000万円です。増えた分のほぼ全部が日本で、欧州は逆に減っています。

……いや、世界で遊ばれているサッカーゲームの会社で、これは変だ。

答えは表の注記にありました。地域は「当社グループ各社の所在地を基礎として」決めている、とあります。遊んでいる人の国ではなく、売った会社の国です。日本の会社が世界へ配信しているゲームなら、海外で遊ばれた分も日本に入る、と私は受け取りました。この表から「日本のお客が増えた」とまでは言えません。

利益のほぼすべてが、ゲームの事業から出ています

事業売上(今回)事業利益(前年同期)事業利益(今回)
デジタルエンタテインメント1,000億8,300万円278億6,800万円438億7,000万円
アーケードゲーム43億1,200万円5億8,500万円9億2,900万円
ゲーミング&システム123億8,800万円△1億6,600万円8億2,700万円
スポーツ127億1,200万円4億2,600万円7億6,400万円

事業利益の合計446億9,900万円のうち、438億7,000万円がゲームの事業です。カジノ向けは前年の赤字から黒字に戻り、スポーツもほぼ倍になりましたが、金額の桁が違います。

損益計算書の売上の内訳も、同じ方向を向いています。製品の売上は、251億2,000万円から300億4,400万円へ増えました。サービス及びその他の収入は、718億4,400万円から994億8,000万円へ増えています。伸びの大半はサービスの側です。箱で売るゲームより、配信中のゲームの中で使われるお金が伸びを引っ張った、と私は考えています。

税金を払った四半期でも、現金は前年より多く入っています

私が決算でいちばん先に見るのはキャッシュ・フロー計算書です。利益が出ているのに現金が入っていない会社で、痛い目を見たことがあるからです。

今回は、四半期利益325億7,400万円に対して、営業キャッシュ・フローは163億4,300万円でした。半分です。引っかかって中を確かめると、法人所得税の支払額が301億2,000万円ありました。損益計算書に計上した税金は138億7,900万円なので、払った額はその倍以上です。

貸借対照表では、未払法人所得税が296億6,900万円から127億3,000万円に減っています。前の期の利益にかかった税金を、この3か月でまとめて払ったのだと受け取りました。それでも営業キャッシュ・フローは、前年同期の105億1,900万円を上回っています。

もう一つ、売上より先にお金を受け取った分も増えています。契約負債の増加が51億6,400万円で、前年同期は1億2,000万円でした。代金は受け取り済みで、これから売上として計上される分です。

会社はどう説明しているか

短信4ページ目の説明は「主にデジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが引き続き好調に推移し」です。続けて、eFootballの世界累計10億ダウンロードの記念施策、4年に一度のサッカーの祭典を記念したキャンペーン、野球の世界大会に出た選手を収録したパワプロの新作が並んでいます。

好調という説明は、数字とよく合っています。ただ、どのタイトルでいくら増えたのかは、決算短信には書かれていません。表紙に「決算補足説明資料作成の有無:有」とあるので、内訳はそちらにあるのかもしれませんが、私はまだ開いていません。

カジノ向けの事業では、米国の子会社が日本のカジノ管理委員会へ許認可を申請したとあります。2030年開業予定の日本初の統合型リゾートに向けた動きですが、今回の数字とは別の話です。

通期予想は5月のまま。残り9か月は前年より少ない置き方です

通期予想は売上高5,050億円、営業利益1,430億円で、5月8日に出した数字から変えていません。第1四半期の営業利益452億8,500万円は、通期予想1,430億円の3割強に当たります。4分の1が目安の時期です。

前年と並べると、この予想の中身がはっきりします。表紙の営業利益の増減率は+5.2%です。1,430億円を1.052で割り戻すと、前期の営業利益はおよそ1,359億円になります。そこから前年の第1四半期277億3,200万円を引くと、前年の残り9か月はおよそ1,082億円です。

今年の残り9か月は977億1,500万円です。通期予想の1,430億円から、第1四半期の452億8,500万円を引いた額です。前年の同じ9か月の約1,082億円と比べて、1割ほど少ない見込みです。

第1四半期残り9か月通期
営業利益 前年 実績277億3,200万円約1,082億円約1,359億円
営業利益 今年452億8,500万円(実績)977億1,500万円1,430億円(予想)
売上高 前年 実績969億6,400万円約3,967億円約4,936億円
売上高 今年1,295億2,400万円(実績)3,754億7,600万円5,050億円(予想)

約の付いた数字は、表紙の増減率(売上高+2.3%、営業利益+5.2%)で私が割り戻したものです。今年の残り9か月は、通期予想から第1四半期を引いています。

私はどう読んだか

受け取り方は2つあると思います。5月の慎重な予想を、第1四半期のあとも動かさずに置いているだけなのか。第1四半期に、毎年は来ない分が乗っているのか。

私は後者の見方をしています。理由は、会社自身が第1四半期の説明に、4年に一度のサッカーの催しの記念キャンペーンと、野球の世界大会の選手を入れた新作を並べているからです。どちらも毎年ある材料ではありません。心配性なので、この四半期の伸びをそのまま残りの9か月に延ばしては考えません。

秋以降には、メタルギアのコレクション第2弾や、サイレントヒルとキャッスルヴァニアの新作が控えていると書かれています。ただ、それをどれだけ予想に入れているのかは短信からは分かりません。上がるかは知りません。

出典:決算短信(会社発表)

https://tdnet-pdf.kabutan.jp/20260730/140120260730503096.pdf

どのタイトルがいくら稼いだのか、4年に一度のサッカーの催しの分がいくらだったのかは、決算短信からは読み取れませんでした。


調べてほしい会社があれば、証券コードと社名を書いて、下のコメント欄に残していってください。

全部は書けません。短信を開いてみて、書くことが見つからない会社もあります。それでも、次にどこを開くかを決めるのに使わせてもらいます。

買っていいかどうかの相談には答えられません。ここで書けるのは、短信に何が書いてあったか、それだけです。

本コンテンツはAIによる情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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